次世代バイオ素材生産用枯草菌の創製

微生物科学

花王は30年以上にわたって洗剤酵素などタンパク質の開発研究を行なっており、バイオ技術の応用としてカルタヘナ議定書が定める原則を支持し、適切な管理のもと微生物で効率的に生産するバイオ素材生産技術の開発にも取り組んでいます。
酵素生産能に優れた微生物である枯草菌を題材として国家プロジェクトに参画し、ゲノム情報(約420万塩基対)と網羅的転写解析などから酵素生産に不要なゲノム領域を見いだしました。そして全ゲノムの23%に及ぶ不要領域を取り除き、代謝機構と分泌生産装置の改良を加えた高効率なバイオ生産用枯草菌を開発してきました。さらに、タンパク質生産時のプロテオームやメタボローム、フラックス解析を組み合わせて多層的に現象を理解するマルチオミックス解析を活用することで、『アタック』などに配合する洗剤酵素にとどまらず、さまざまなタンパク質を効率的に生産するバイオ生産技術の確立に挑戦し続けています。
近年では、これらの技術を活用し、感染症対策に役立つタンパク質生産への応用も進めています。その一例が、花王が開発した「次世代バイオ素材生産用枯草菌」です。この枯草菌を用いることで、次世代抗体医薬品として注目されている低分子抗体や、熱帯地域に蔓延する腸内寄生虫を駆除するタンパク質を、効率的かつ大量に生産できることを見出しました。
今後も、枯草菌によるタンパク質生産技術の強みを活かして、新型コロナウイルスを含む感染症や、環境対策をはじめとする社会課題の解決に広く貢献していきます。

「次世代バイオ素材生産用枯草菌」

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