ピンクリボンアドバイザーの皆さんに
お話をうかがいました!-02-
がん教育が学校の授業として正式に組み込まれ、それにピンクリボンアドバイザーとして関わっていくことについて、どうとらえていらっしゃいますか。
栗橋さん
がん教育を通じて、若い方々にがん検診の大切さや、がんになるのは誰のせいでもないということ、またサポートの大切さを伝えることができるのは大きな意義があると思います。早く知ることができれば、それだけ自分にも周りにとっても良いことが増えるのです。難しい医療用語が多い学問的な話ではなく、私たちの体験を身近なものとして聞いて役立ててくれたらと思います。
藤原さん
小さいころからご家族のご病気などで心に負担を感じている子もいます。私たちアドバイザーはそれを心に留めながら、がんになっても自分らしく生きていけるということを、怖がらせず、そして興味を持ってもらえるような活動ができるのではないかと考えています。
栗原さん
各学校でのがん教育の授業のはじめに、自らの体験やご病気を生徒たちに打ち明けられる先生がいらっしゃいます。そんな授業の後は、先生と生徒に新たな絆が生まれます。またこの授業は、いのちの大切さはもちろん、がんサバイバーに対する偏見などを考える機会にもなっています。さらに、授業を受けた生徒の親御さんから自らがんサバイバーであるとご連絡をもらって、今ではスタッフとしてがんの授業に一緒に取り組んでいる例もあります。こうした色々な繋がりや絆が生まれる場でもあると思います。
栗橋さん
以前、娘の学校に乳がんで亡くなった先生がいらしたのですが、その先生が職場に復帰されたときにウィッグをつけていたのを、生徒たちは事情を知らず影でからかってしまったことがあったそうです。知っていれば先生をサポートできたのにと、とても後悔して悲しんでいました。がん教育を通して、がんをきちんと理解してサポートの仕方を学んだり、あるいは自分ががんになった時は、つらい時につらいと言える、みんなで支え合えるような環境ができればと思います。難しい言葉を使わず、日常の体験談として、いつかふと思い出して役立ててもらえる授業にしたいです。
栗原さん
1人のがん経験者として、きちんと本音で向き合いたいです。「お母さん」である私たちが話すことで、子どもたちもより共感して耳を傾けてくれるのではと思います。
最後に、これからの意気込みをお願いいたします。
栗原さん
子どもたちに、たくさんの想像力を働かせて、今できることは何か、この場合はどうしたらいいんだろう…などを考え、学ぶ機会を作ってあげられることが、がん教育の大事な部分だと思います。ピンクリボンアドバイザーが「我々こそがん教育に携わろう!」という志をもって、全国各地に取り組みを広げていけたらと思います。
藤原さん
生きていれば、がんだけでなく色々な困難に出くわすかもしれない。だけど、がんになってもこんなに元気にしているアドバイザーと出会うことで、もしかしたら頑張れるかもと前を向いていけることに繋がってくれればと思います。
栗橋さん
目指す未来は、がんで亡くなる人が3,000人台になること。がんになってもただの通過点ととらえて、色んなことがあってもみんなで支え合い、積極的になんにでも向かっていけるような人生が大切なのだと、学生のうちにがん教育をきっかけとして知ってもらえたらと思います。
高木さん
乳がんになっても、こんなに素敵に活動できる、人の可能性は無限大で素晴らしい、ということをこのプロジェクトを通じて知ってもらえたら良いなと思います。子どもたちにも、自分がまだ子どもだから無力だなんて思わず、こんなにできることがあるんだという気づきを引き出せたらと思います。
みなさんのパワーをひしひしと感じました。学校から、先生、家庭、社会へ広がるこのプロジェクトの未来がとても楽しみです。本日はありがとうございました!