花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、2021年10月1日より、神戸市と小売、日用品メーカー、リサイクラー(再資源化事業者)が協働して日用品の使用済みつめかえパックをリサイクルし、資源循環型社会の実現をめざす「神戸プラスチックネクスト ~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」プロジェクトに参加します。
プロジェクトでは、神戸市民のみなさまに洗剤やシャンプーなどの使用済みつめかえパックの回収を呼びかけ、市内の小売店舗75か所に設置した回収ボックスにお持ちいただいた使用済みつめかえパックを、小売店舗の配送戻り便や廃棄物等を収集する既存業者との連携により、効率的に環境負荷を抑えて収集します。回収した使用済みつめかえパックは、リサイクラーとメーカーが連携して生活に役立つリサイクル品に再生するとともに、再びフィルム容器として利用する水平リサイクルをめざします。神戸市と16の参加企業・団体が協働して資源循環に取り組み、神戸から全国に広がる活動へと推進していきます。
詳細は神戸プラスチックネクストのニュースリリースをご覧ください。
現在大きな社会課題となっているプラスチックごみ問題に対して、花王は、1990年代から製品成分の濃縮による容器のコンパクト化や、つめかえ・つけかえ用製品の開発・普及により、プラスチック使用量を大きく削減してきました。
また2015年より、使い終えたものを再び資源に戻す「リサイクル」と、新たに価値を創造する「クリエーション」を合わせて、一度使い終えたつめかえパックに、技術や知恵、アイデアを加えることで、より楽しいモノ・よりよいモノとして新たな価値を創り出す「リサイクリエーション」の活動にも取り組んでいます。
「リサイクリエーション」の活動は、日用品をお使いいただく生活者のみなさまをはじめ、さまざまな自治体やNPO、企業にご協力いただき、地域で回収した使用済みつめかえパックを「おかえりブロック」と名付けたブロックに再生、さまざまに活用いただいています。神戸市のプロジェクトでも協力を募り、市民のみなさまと「おかえりブロック」を使った楽しいまちづくりを推進します。
また、2020年9月にはライオン株式会社との協働、11月には株式会社イトーヨーカ堂の曳舟店でリサイクル実証実験を開始しました。今回参加する神戸市のプロジェクトは、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、官民連携でイノベーションを加速するために設立されたCLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)の活動を通じて連携が拡大した取り組みです。
今後も協力していただけるパートナーとの協働を通じて、使用済みつめかえパックの効果的な回収と、再びフィルム容器へ利用する水平リサイクルをめざします。
本品容器にくらべてプラスチック使用量を大きく削減できるつめかえパックは、内容物を温度や湿度、紫外線などから薄いフィルムで守るため、ペットボトルのような単一原料ではなく何層もの複合材料からつくられています。そのため、リサイクルすると多種類の成分からなる不均質なプラスチックとなってしまい、再びフィルム容器として利用することは現状ではまだ困難です。
花王は、2021年6月より和歌山研究所に導入したフィルム容器リサイクルのパイロットプラントでリサイクル技術の開発・検証をすすめるとともに、あわせて生活者のみなさまからの効果的な分別回収のプロセスや、リサイクルしやすい包装容器の設計などを検討して、リサイクル率の向上と水平リサイクルの実現をめざしています。
花王は、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。2019年4月にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。環境や社会に配慮した取り組みを強化しています。
今回の取り組みを通じて、よりすこやかな地球のために、「ごみゼロ」をめざして、再生フィルム容器の実用化と普及をはかります。
※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。