環境科学
花王の製品には、多種多様の容器が使用されています。
すべての容器には、使用時の適度な把持強度、輸送や保存時の変形を防止する座屈強度、落下強度などが求められます。薄肉化・コンパクト化は環境対応型の容器に求められる条件ですが、単に薄くすると強度が失われます。
そこで、デザイン段階から実生産用設計に至るまで、あらゆる容器設計段階で有限要素法を用いた強度解析を行い、最適な形状を決定しています。また、使用時の容器内流体の変化、流速や流量についてもシミュレーション解析を行い、使いやすい形状探索を実施しています。
こうした精密な検討を経て初めて、最適な樹脂の種類、樹脂量、形状を備えた高性能の容器が誕生します。
包装技術研究では、設計した形状通りに仕上がっているか、不具合が発生している容器がどのような状態になっているかのアフターフォローも徹底的に行います。
たとえば、ポンプ式シャンプーやスプレー式風呂用洗剤に用いられる容器は「ディスペンサー容器」と呼ばれ、多くの部品から成り立つ複雑な機構を持っています。複数の部品の組み合わせでひとつの機能を発現するこれらの容器においては、ボトルやキャップ各部品との組み付け(嵌合)具合の解析や、ポンプ動作の動的解析などの技術が、品質を支える基本的な要素技術となります。
花王では、リアルタイムで内部の部品の動きや流れの状態を確認できる動的X線観察や、非破壊的に部品間の嵌合状態や欠陥等を鮮明に観察できるX線CT観察装置を駆使し、容器品質の向上を実現しています。
X線CT観察装置による容器の観察