毛髪への汚れ付着抑制(ダストシールド)
花王の調査では、「頭皮の清潔感が翌日も続いているか?」に対して、「気になる」「やや気になる」と答えた方が半数以上に上り、そのうち4割以上の方が、翌日の清潔感を「髪のサラサラ感」として感じると回答しています。また、朝の外出時と比べて日中に毛髪の感触が悪くなったと感じる原因は、「ほこり等の汚れ」という回答が最も多く6割以上でした。
そこで、ほこりや花粉といった外部環境由来の微粒子汚れに着目し、その毛髪への付着実態を解析しました。
微粒子汚れとしてスギ花粉を対象に検討を行ないました。スギ花粉の飛散時期に屋外にウィッグ、衣類を置き、付着したスギ花粉アレルゲン量を測定しました。
単位面積当たりのアレルゲン量の比較から、毛髪への付着量は衣類と同等以上であることがわかりました。
花王のこれまでの研究により、毛髪が微粒子で汚れやすくなる原因のひとつは、毛髪上の液状油であると考え、皮脂を吸油する物質を残すシャンプーの処方、コンディショナー・トリートメントでは配合する感触向上剤のシリコーンに着目し、検討しました。シャンプーには、毛髪表面に存在する液体状態の皮脂を少なくするため、独自開発基材カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース(C-HPC)を吸油物質として配合しました。洗髪約20時間後において、C-HPC配合品は、微粒子汚れの付きやすさの指標である静摩擦係数の上昇を有意に抑制できました。コンディショナーは、粘性の低いシリコーンを用いることが有効であることがわかりました。
これらの技術を組み合わせたシャンプー、コンディショナーを頭部の左右半分ずつ6日間連用し、その被験者から採取した黒髪にテスト用の白い微粒子を噴霧し、微粒子の付着の程度を評価しました。その結果、毛髪への微粒子汚れの付着を抑制できることを確認しました。