第14回コンテスト(2023年)

花王は、世界の子どもたちが、地球の環境・未来について真剣に考えて表現した作品とその思いが、世界中の人々の心を動かし、サステナブルなライフスタイルを実践するきっかけとなることを願い、2010年からこのコンテストを実施しています。
14回目となる今回は、世界中の子どもたちから15,916点のご応募をいただきました。厳正な審査により選ばれた32点の入賞作品を、子どもたちがそれぞれの作品に込めたメッセージと共にご紹介します。

受賞作品のご紹介

“いっしょにeco” 地球大賞

「木の出家 - 森を守る仏教儀式」
Kodchapan Malisornさん(14歳)

絵に込めた思い

私の絵は、環境保護に貢献する人たちの宗教的信仰を表現しています。
「ブワット・パ」は、仏教の儀式です。仏教の信仰を通して森林保護意識を高めることを目的としています。仏教を信じる人々の中では、森林を破壊せずに木を育てて保護することが、川の流域の森をサステナブルに保全する方法のひとつだと信じられています。

審査員講評

中央に大木を配したシンメトリックな構成と、木々の奥行き感の表現がすばらしい。空色のグラデーションや、大木を取り囲む小さく描かれた人間との対比で、木が特別な存在であることを表現している。人々が長い時間をかけて木を大事にし、これからも大事にしていくという強いメッセージを感じた。この絵が、人間の心底にある、自然との交流への思いにもう一度目を向ける機会になることを期待する。

“いっしょにeco” 花王賞

「空を舞う蝶たち」
Chien-jou Linさん(12歳)

絵に込めた思い

生き物はみんな、きれいな蝶になります。人間の両手で握りしめられた蝶は、いのちを失って消えてしまいますが、手を離し、蝶たちのために花の種を植えて花園をつくれば、蝶は永遠に、自由に、楽しく、美しく空を舞うことができます。

審査員講評

それぞれの蝶の羽をよく見ると、魚や花が描かれており、まるで自然のいのちひとつひとつを全て蝶の中で表現しているようだ。人間の手の中で潰れてしまうほどか弱い存在の蝶を大事にし、自然を守ることで空を舞うことができるのだということを、シンボリックに伝えている点がすばらしい。

「木を植えよう」
Kanyaphon Kaentaoさん(10歳)

絵に込めた思い

自然界のサステナビリティと生き物の大切さを育むために、みんなで力を合わせて協力するから、自然は美しいのです。

審査員講評

植林をする子どもたちの姿と、その様子を投影した影のような別の世界観が描かれている。笑顔で木を見上げている子どもたちの姿から上向きの思考を感じとることができる。また遠くからでも鮮明にわかる構図や色の使い方がユニークだ。

「バクと一緒に水浴び」
Lai Chean Looさん(10歳)

絵に込めた思い

友だちと私はマレーバクを水浴びさせています。マレーバクは私たちの国の動物です。私たちはマレーバクを安全でいつもきれいにしておかないといけません。

審査員講評

子どもたちがバクを洗っている姿が、自然の中での人と生きものの共生を表現している。このワンシーンを見ていると、前後の物語が思い起こされ、動物と子どもたちの関わりが想像される。一緒にこの絵を見ながら話をしたら、子どもたちと会話が広がると感じられる、楽しい作品だ。

「私の馬」
Melek Gunerovaさん(9歳)

絵に込めた思い

私は動物が大好きです。獣医になりたいと思っています。犬も、ネコも、牛も、ウサギも、馬もみんな大好き。私のおとうさんは獣医なので、おとうさんと一緒に働いて、病気の動物たちを治してあげたいのです。そして、すみかのない動物たちを保護する場所をつくってあげられたらいいなと思います。

審査員講評

動物を描いた作品が多かった中、動物の視点で描かれた点に興味を惹かれた。人間に向けた馬の視線が新鮮で、強く印象に残る。私たちは人間が見ている世界が環境だと思いがちだが、それは単なるひとつの見方で、動物がこの世界をどう見ているかが重要なのだということを、この絵は大きな意味を持って伝えている。

「私達の守るべきはかない地球」
市原 凪紗さん(11歳)

絵に込めた思い

私達の住んでいる地球はシャボン玉のようにはかないと思います。それをこわすことなく、美しいままで未来につなげたい。動物達もそれをのぞんでいます。だから私達人間は、地球と自然と動物が共存していくためにはお互いに知恵を出し合って守りあっていかなければならないと思います。

審査員講評

同じモチーフを繰り返し描くことで、画面全体にリズムが生まれ、見る者を惹きつける。世界が行うべきことを、地球や人を描かずに、世界中のさまざまな肌の色をした手や動物で表している。一人ひとりの手のひらには、皆の思いが託されたシャボン玉が描かれ、今までにない世界観のある作品である。

「水をきれいに」
Olexandra Sergijivna Paliiさん(11歳)

絵に込めた思い

私たちは美しい惑星に住んでいます。たくさんの川、湖、海がある地球に。私たちは水をきれいに保たなければなりません。私たちのいのち、そして水の中や水辺に住む多くの生き物のいのちのために。

審査員講評

「水を大切に」をテーマに掲げ、きれいな水がある場所にしか飛ばないトンボを素直に表現した興味深い作品だ。トンボは寒色、キリンたちは暖色といった色の配分は、豊かな色彩感覚をうかがわせ、トンボと共存する動物たちの描き方のバランスもすばらしい。

「未来のために植林を」
Titaree Kaensonteaさん(9歳)

絵に込めた思い

樹木は、地球の生態系をつくり出し、空気をきれいにしたり、豊かな水を生みだしてくれる植物です。でも、現在、樹木が少なくなってきているので、将来、私たちの子どもたちや動物たちが住み続けるのに理想的な自然環境をつくるために私と家族は力を合わせて木を植えました。

審査員講評

一目で、みんなで植樹している様子を描いていることがわかる。これらの木々が成長した未来像を子どもたちが分かち合い、草の上に広がる木の形や影として描かれているのが興味深い。長い年月を通して、こうした樹木との関わりがしっかりと生活に根づいていることを教えてくれる作品だ。

「未来の世界」
Zoey Huangさん(7歳)

絵に込めた思い

未来には、住みたいと思えば、どんなに高いところでも自由に選べて、しかも安全に暮らせるようになるでしょう。

審査員講評

温かい色使いとさまざまな動物や建物で、未来の姿が明るく表現されており、配色や構図も工夫されている。一枚の絵の中に存在する多くのストーリーが、複雑に編み込まれ、ひとつの大きなポジティブな世界観を生み出している。ストーリー性を感じさせるのも特徴的だ。

優秀賞/審査員推薦作品

益田 文和 審査委員長推薦

「牛たち」
Ilian Stoicovさん(11歳)

審査員講評

二人の人間が布をかぶって牛に変装しているようにも見える不思議な作品。背景も檻を連想させ、困惑したような表情からも決してハッピーではない状況ととらえられる。牛と人間との関係など、この謎めいた絵に関する解釈は見る人に委ねられているようだ。

大久保 澄子 審査員推薦

「ハスのかおり」
Jin Zheさん(6歳)

審査員講評

使用している色は少ないながらも葉の色は緑の濃淡のみで変化をつけ、寒色系の背景にピンク色をポイントとしてあしらっている。後ろでオタマジャクシが泳いでいたり、水の色も変化したりと、リズム感があり描写力のある作品だ。

松下 計 審査員推薦

「私の庭でサステナブルな収穫を」
Pinidu Bimsara Siriwardana Siribaddana Arachchigeさん(6歳)

審査員講評

ネガティブなこともポジティブなことも、いろんな要素がひとつの画面にまとまって、世界がひとつであるということを表現している作品だ。まるでいろいろなものを皿に乗せて食べるスリランカカレーのようで興味深い。

オヤマダ ヨウコ 審査員推薦

「氷の再生」
Christabella Winna Gozaliさん(15歳)

審査員講評

地球温暖化について、作者なりの考えやアイデアを込めた作品だ。この絵が、北極や南極の氷が溶けている問題を訴える科学者の存在や、技術を使って修復・再生しようとしていることを知るきっかけになってほしいと思う。

アンドレアス・シュナイダー 審査員推薦

「遠足で学んだこと」
Tirtha Kanchan Chhedaさん(9歳)

審査員講評

遠足でヴァイタルナ川に行き、森や自然を育てるために植物を植えたという、本人の経験から描いた作品。環境課題に対する子どもたちの責任感が、強いメッセージとして込められている。木と水が混ざりあってひとつになっているところも奥深い。

細川 泰徳 審査員推薦

「ペンギンをきれいにしてあげる」
Valentin Camanoさん(10歳)

審査員講評

温暖化によって南極の氷が溶けて、ペンギンの居場所が少なくなっている環境問題について描かれた作品。涙を流しているペンギンをねぎらっているようで、やさしく生きていこうというメッセージを受け取り、心を打たれた。

片平 直人 審査員推薦

「プラスチックのない自然からの恵み」
Madeleine Louisa Tongkuさん(8歳)

審査員講評

野菜や魚は自然の恵みであり、それはプラスチックではなく自然のもので包装するべきだと、プラスチック削減をストレートに表現。個々の食材が美味しそうに描かれ、作品全体も非常に力強いタッチで描かれている。

優秀賞

「私はこの環境が大好き」
Denuji Duranga Madampagamaさん(12歳)

審査員講評

作者が空想した魔法の木を描いているが、まるで実在するかのようにいきいきとしている。輪郭線を白くしたり、葉っぱもスポンジで色づけしていたりと、見れば見るほど味わいのある作品。

「みんなで環境を守ろう」
Ha Duc Lamさん(13歳)

審査員講評

川に流れているごみのようなものを、大人と子どもが手を取り合って一緒に拾っている。人間も川も全て曲線で描かれており、光と影の色をうまくリズミカルに表現することで、動きがとても楽しげな作品になっている。

「そばに漂う田んぼの香り」
Kang Tey Sengさん(13歳)

審査員講評

田舎の田んぼという、作者の身近にある自然を描いており、何気ない日常の中で印象に残るシーンを上手に切り取っている。光が差し込む様子が描かれており、未来への希望を感じさる点が秀逸だ。

「私が思い描く、現代の産業都市」
Karolina Staniszewskaさん(10歳)

審査員講評

周りを黒く縁取ることで映画のオープニングシーンのように感じ、心を惹きつけられる。色をつけた花だけでなく、月や鳥など、 モノクロ部分にも注目してほしい。見る角度によってまた違う作品に見えるのではないかと思わせる。

「環境を大切にして緑の種をまこう」
Lin Xiangzhouさん(10歳)

審査員講評

遠近法などを使って木々の奥行きを表現するのではなく、重なり合わないような描き方をすることで、一本一本の木が生命感を持ち、独立して見える。けれども、引いて見た時には、ひとつの世界になっている作品だ。

「私が思い描く弟や妹たち」
Martyna Ornochさん(14歳)

審査員講評

非常に謎めいた作品だが、じっくりと眺めていると、いろいろな有機体に目だけが見えてくる。特定できない生き物を自分たちの「兄弟」だと表現している点が非常におもしろく、哲学的かつ魅力的な作品だ。

「みつの木にあつまるなかまたち」
佐伯 昌秋さん(6歳)

審査員講評

作者が夏休みに、蜜を木に塗ってそこに集まる昆虫をはじめて見たのだろうか。とても感動している姿がのびのびと描かれている。その喜びが素朴なタッチでよく表現されており、自分の小さい頃を思い出させる。

「自転車の思い出」
Ng Chin Tungさん(6歳)

審査員講評

自動車ではなく自転車に乗ろうというメッセージを込めた作品。輪郭線をはっきりと描かずに、自転車から見た情景を描いている点が独創的だ。排気ガスを出さない自転車に満ちたくらしから伝わる幸福感を素直に表現している。

「サステナブルな環境」
Niki Kajkolahiさん(9歳)

審査員講評

濁った色を使わずに、発色の良い色だけをパレットから取って絵の中にぶつけ、明るいタッチで描かれた作品。ひとつひとつの小さな祝福感が集まり、絵全体からあふれて、私たちの元へ伝わってくる。

「環境保護」
Panatda Seejandaengさん(15歳)

審査員講評

ひとつの絵ではあるが、いくつかの絵が作品の中にまとめられているような作品。モノクロにもかかわらず、作者の、自然の豊かさを描き出している細かい線の使い方、ストーリー性の表現の仕方がすばらしい秀作だ。

「睡蓮の畑」
Phairin Thitapuraさん(10歳)

審査員講評

蓮の葉と人間の帽子が同じような円で描かれており、まるで自然の中に人間が溶け込んでいるようだ。人間の周りに環境があるのではなく、人間を取り込んだ形で環境を表現しようとする点に、作者の環境に対するとらえ方が表れている。

「大きな都市にある木々」
Suthatcha Chumaiatさん(9歳)

審査員講評

いろいろなものがある大都市の中で、樹木、緑を大切にしていくためには、お互いに助け合い、共存していくことが大切だという思いが込められている。多彩な色で描かれており、目を惹く作品だ。

「家族で環境のために」
Tanushree Jiteshbhai Bhattさん(13歳)

審査員講評

リサイクルやリメイクを家族ぐるみで行うお店にたくさんのお客さんが集まっている。作者のリアルな日々の暮らしの中から、環境問題に対してどんな国でもすぐにできそうなことを提案している。こうした生活を見習いたいと思わせる作品だ。

「スズメ」
Truong Quynh Huongさん(15歳)

審査員講評

クラシカルな油彩画のような色づかいが独特。視線が非常に低く、手前にいる鳥の目線で描かれているのだろうか。動物の視点から環境を見るというとらえ方がユニークであり、気づかされることがたくさんある。

「環境を学ぶ家族の風景」
Wan Yu Xiさん(11歳)

審査員講評

一見、ドアを境にして、人間の親子と外にある自然界との間に隔たりがあるようだが、ドアを開けて話をし、自然について理解しようとしているようにも見える。環境への理解を深めたいという力強い作品だ。

「環境の中の平和」
Yang Zong Linさん(10歳)

審査員講評

マングローブを中心にした美しい緑の世界に、鳥や魚が描かれている。めざしたい自然の姿のお手本のような作品だ。「この絵を通して私は環境をサステナブルなものにしていく手助けをしたい」という作者のメッセージにも惹かれた。

下記より「第14回(2023)入賞作品集」をご覧いただけます。

審査風景

今年で14回目を迎えた絵画コンテスト。今回は、世界中から15,916点(国内798点、海外15,118点)の作品の応募がありました。まず花王のデザイナーが予備審査を行い、全作品の中から約200点の作品が最終審査への通過作品として選考されました。
審査の基準は、テーマ「サステナブルな環境をみんなでつくろう!」に沿った内容で、「環境への願いや発想が感じられるか」「子ども目線で表現されているか」といった点などが重視されました。
予備審査では、「地域のくらしが見えてくる」「絵に込めた強いメッセージがひしひしと伝わってくる」といった評価を得た作品が通過しました。 最終審査では、芸術や環境分野に携わる審査員7名が、一枚一枚の作品を丁寧に観ながら、未来に向けた子どもたちの意思が素直に表現された多様性にあふれる作品32点を選びました。

「“いっしょにeco”地球大賞」(1点)に選ばれたのは、Kodchapan Malisornさん(14歳)の「木の出家 - 森を守る仏教儀式」です。審査員からは、「大木と小さく描かれた人間との対比で、木が特別な存在であることを表現している。」「人々が長い時間をかけて木を大事にし、これからも大事にしていくという強いメッセージを感じた。」といった講評がありました。このほか、「“いっしょにeco”花王賞」8点、「優秀賞」23点(うち審査員推薦作品7点)を決定しました。

審査員の総評

益田 文和 先生
審査委員長
デザインコンサルタント、株式会社オープンハウス代表取締役

本コンテストが開始された当初は、身近な課題を見つけて、その解決のためにみんなで知恵や技術を持ち寄って取り組もうという姿勢だった。しかしそれでは急激に進む環境問題に追いつかないことがわかり、「サステナブルな環境」をテーマに掲げるようになった。その頃から、子どもたち自身がどのような世界に生きていて、どのような世界で生きていきたいのかというように目線が大きく変わってきた。今年集まった作品の多くについても、「こういうふうに暮らしたい」という子どもの意思がしっかり表現されていたと思う。このような絵が続々と出てくることに、子どもたちが夢見る未来の方向性を感じるとともに、未来は明るいということを確信した。

大久保 澄子 先生
美術家

今年は以前の回と比べて、テーマなどにこだわって理屈で考えるのではなく、描く対象を素直にとらえた、自然体な作品が多く寄せられた。素直な感情を絵で表現していることで、作品の色彩感やリズム感、力強さが増したように思う。コロナウイルスの感染状況が落ち着き、世の中がよい方向に向かっていることが子どもたちの絵にも反映されていて、身近なものからくる喜びや楽しさ、自分が夢見る世界を描きたいという気持ちが表れた、大らかな作品にあふれていた。きっとすばらしい絵描きになるだろう、将来アーティストになりうる才能豊かな子どもたちがたくさんいることがよくわかり、将来の明るい兆しを感じた。

松下 計 先生
東京藝術大学 教授

本コンテストがよい方向に向かっているのを改めて実感した回となった。今回は、前回と印象がまったく異なり、また子どもたちが絵を描くことに比較的慣れてきたのか、総じて達者だと感じさせる絵が多かった。それは、「サステナブルな環境をみんなでつくろう!」というテーマに対して、子どもたち自身が素直に感じたものを絵に変換していった結果なのだろうと推測する。子どもたちに期待するのは、あらゆる問題をどう理解するのかではなく、どう感じるのかということ。今後も引き続きその部分を大切にしていってもらいたい。

オヤマダ ヨウコ 先生
美術家、イラストレーター

今年も世界中から本当にたくさんのすばらしい絵が集まったことに感謝する。子どもたちが、大人と一緒になって、環境をよくするためには何をすべきなのかということ、あるいは環境のために自分たちが実際に行っていることなど、具体的に描いた絵が目立っていた。力強いメッセージも多く届いており、特に今年はコロナウイルスによるパンデミックを乗り越え、これまで塞いでいた心やエネルギーを存分に発揮できる始まりの年になったように思う。一人でも多くの方に子どもたちの絵を見ていただき、絵を通して、子どもたちの力強いメッセージが世界中の人たちに届くことを心から願っている。

アンドレアス・シュナイダー 先生
デザイナー

技術的にレベルの高い作品が多く、機械的なほど精密につくられた質感の絵も見られた。子どもが思うままに描いたのか、大人に話を聴きながら描いたのか判断がつかないほどだ。大人の世界が子どもの世界にどこまで影響しているのか、子ども本来の世界観や感覚を守れているのかと疑問が浮かんだ。そして子どもが世界に対して抱く信頼を、私たち大人がきちんと受け止められているのかと考えさせられた。一方で、絵を通してそのことに気づかされるのはすばらしいことである。世界中にいろいろな作品を見せることで、子どもたちが持つ本来の純粋さについて考えるきっかけが生まれることを願っている。

細川 泰徳
花王エコラボミュージアム館長

子どもたちの絵から刺激を受けることが多く、毎回大変勉強になっている。以前は、地球環境に関する現状の課題を描く作品が多かったが、徐々に「こんな未来でありたい」「こんな世界で生きたい」という、自分たちの希望を形にした絵が増えてきている印象がある。また一つひとつの絵から子どもたちが持つ優しさが伝わってきて、そのことに心を動かされた。子どもたちの絵を通して、私たちも地球に優しく接し、心豊かで思いやりのある社会をめざしていかなければいけないと改めて感じた。

片平 直人
花王株式会社 作成センター長

本コンテストの受賞作品の点数には限りがあるため、残念ながら選出できなかった作品もたくさんあるが、それが本当にもったいないくらいすばらしい作品が多く集まった。年々、絵に込められたメッセージ性が強まってきているのと同時に、それに匹敵して画力や表現力も非常にレベルが高くなってきているように思う。そして、絵を並べて見たときに同じものが一つとしてなく、一枚一枚が多様性にあふれている。そうした子どもたちの想像力の豊かさに、私たち大人が学ぶべきものがたくさんあることを改めて感じる機会となった。

表彰式

第14回表彰式は、2023年12月17日(日)にオンラインで開催しました。「“いっしょにeco” 地球大賞」「“いっしょにeco” 花王賞」の受賞者がアジアやヨーロッパの各地から参加し、花王本社のある東京からは、審査委員長の益田文和氏、社長の長谷部佳宏、常務のデイブ・マンツが参加しました。

受賞作品発表では、受賞者一人ひとりが作品に込めた思いを語り、参加した3名からは子どもたちへメッセージが伝えられました。益田氏からは「みんなが木や生き物を大切に思ったり尊敬する気持ちが十分にあわられていた。作品からいろんなことを教えてもらった」「未来に対する明るい希望が絵に込められていることがすばらしい」等のコメントがありました。

また、事前に受賞者や各国の関係者から届いた動画を一本につないだショートムービーを、参加者全員で鑑賞して、ひとつの地球や未来に思いをはせながら、これからも環境のことを一緒に考えていきたいという思いを共有しました。

参加した第14回上位入賞者の皆さん

花王本社の会場の様子

地球大賞Kodchapan Malisornさんのスピーチ

「未来」にむけての思いを共有

Page Top