花王は、より環境負荷の少ない製品をお届けしようと、リデュース(減らす)、リプレイス(置き換える)、リユース(再利用する)、リサイクル(再資源化する)の4Rの視点から、包装容器の研究開発に取り組んできました。1990年代にスタートした「つめかえ・つけかえ用製品」の開発は、その代表とも言えるもので、今や、日本国内では、つめかえ・つけかえが暮らしにすっかり定着しています。
「つめかえ・つけかえ用製品」は、中身を保護しながら、いかにつめかえやすくできるか、一方でいかにプラスチックの使用量を減らすことができるかという観点から、開発が続けられてきました。とはいえ、つめかえ終わったあとのパックは、日本の多くの自治体で焼却され、熱エネルギーとしての利用にとどまっています。これは、つめかえパックが、洗剤やシャンプーなどのさまざまな中身を、輸送での衝撃や紫外線などの保管環境から中身を守るために、何層ものプラスチックを重ねてつくられていて、ペットボトルなどのように、1種類のプラスチック原料からできていないためにリサイクルが難しいことが挙げられます。
そこで何とか、貴重なプラスチック資源を循環させ、もう一度、新たな価値を与えられないかと考えたのが、「リサイクリエーション」の取り組みです。
「リサイクリエーション」ということばは、「リサイクル」と「クリエーション(創造)」を組み合わせた、花王が考えた新しいことばで、一度使い終えたつめかえパックに、技術や知恵、アイデアを加えることで、新たな価値を創り出したいという思いが込められています。
「リサイクリエーション」は2015年から活動がスタートしました。これまでに集まった使用済みつめかえパックは、2023年12月末現在、累計で200万枚余り、総量で36.8トンにのぼります。まだ社会実験の段階ですが、日用品をお使いいただく生活者の皆さまをはじめ、ほかの企業や行政とも連携して行われており、今後、さらに協力していただくパートナーを広げるための取り組みも進めています。
リサイクルつめかえパックができるまで
使用済みつめかえパック由来のリサイクル材を配合した、さまざまな試作品や製品