QOL向上に貢献するスキンプロテクション事業が、
グローバルな需要を拡大し大きく伸長
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、2025年6月13日、花王ウェブサイトにて「花王サステナビリティレポート2025」を公開し、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の進捗状況を公表しました。
花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」
公表にあたり執行役員 ESG部門統括の大谷純子は、「花王は、生活者や顧客のニーズをいち早くつかみ、独自のイノベーションにより、環境負荷を低減しつつさまざまな社会課題を解決したいと考え、日々邁進しています。優れた機能価値や情緒価値はもちろんのこと、社会・環境価値を提供することで、生活者や顧客に花王製品を選んでいただき、使っていただくだけで、より快適でサステナブルな暮らしの実現に貢献することをめざしています」としています。
花王は中期経営計画「K27」において、「グローバル・シャープトップ」戦略を推進しています。私たちがめざす「グローバル・シャープトップ」とは、重要度が高い深刻な社会課題に対し、エッジの効いた独自の技術で解決を図ることで事業を成長させ、サステナブルな社会にとってなくてはならない企業になることです。「グローバル・シャープトップ」戦略に沿ったESGの取り組みは、事業機会の創出と拡大、リスク低減を通じて企業価値を向上し、「豊かな共生世界の実現」に貢献しています。2024年においても、花王はESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」によって「グローバル・シャープトップ」戦略を加速させています。
紫外線や大気汚染などの外的ストレスが増す中、「グローバル・シャープトップ」戦略のファーストランナーであるスキンプロテクション事業は、生活者のQOL向上に貢献する事業として、グローバルな需要を拡大し売上が大きく伸長しています。紫外線から肌を守る「UVケア」、紫外線を浴びずに日やけしたかのような肌を演出する「セルフタンニング」(セーフカラー)、蚊を寄せつけない剤などの「環境プロテクション」で、花王独自の技術を活かし、日本だけでなくアジア、欧州、米州の市場ニーズに応じた製品を展開しています。
ESG戦略のひとつである「よりすこやかな地球のために」のコミットメントで適用している、環境に関する厳しい適合要件を満たした製品の売上高が増加しています。昨年同様、売上比率が大きく、環境性能に優れた衣料用洗剤「アタック」と食器用洗剤「キュキュット」において、適合製品が増加したことによるものです。これらのブランドの売り上げやシェアの増加は、ファブリック&ホームケア事業の売上高にも寄与しました。
花王にとって最も重要な天然資源であるパーム油の持続可能な調達を推進しています。トレーサビリティの確保は、サプライチェーン上の環境・人権に関わるリスクを最小化し、安定的な原材料調達を実現するうえで不可欠です。88%の達成は、持続可能なパーム油サプライチェーンの構築の着実な進捗が結実したものと考えています。
2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブの実現に向けた取り組みを加速しています。低炭素設備の導入、再生可能エネルギーの活用拡大、ライフサイクル全体での取り組みを展開し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
国際NGOであるCDPが世界の調査対象企業24,800社以上に対して実施した、「気候変動」「フォレスト」「水セキュリティ」分野に関する3つの調査すべてにおいて、最高評価の「Aリスト企業」に選定されました。2024年にトリプルAを獲得した企業は世界で8社で、花王は日本で唯一5年連続で選定されています。
創業以来続く倫理的な風土が評価され、企業倫理や企業の社会的責任を専門にするEthisphere(エシスフィア)が発表した「World’s Most Ethical Companies 2025®」(世界で最も倫理的な企業)に選定されました。花王は、2007年に同賞が創設されて以来19年連続で受賞している6社のうちの1社で、アジアでは唯一の企業です。
また今回の「花王サステナビリティレポート2025」の「脱炭素」の進捗報告では、TCFD* が提唱するフレームワークに沿って実施した定量的シナリオ分析の結果を初めて開示しました。分析では、リスク緩和の機会として、コンシューマープロダクツ事業では節水可能な製品や省資源化した製品、ケミカル事業では顧客や産業界の気候変動に対する課題解決に貢献する製品をあげています。リスク適応の機会としては、スキンプロテクション事業といった新たなビジネス機会も見出しています。
脱炭素社会の実現と持続可能な事業への貢献をめざし、2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブの実現に向け、革新的な技術の開発や、ステークホルダーとの連携によるバリューチェーン全体のCO2排出量削減などに取り組んでいます。
指標 | 中長期目標 目標値 |
中長期目標 目標年 |
2024年実績(前年) |
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ライフサイクルCO2排出量(絶対量)削減率(基準年:2017年) | 22% | 2030年 | 15%(12%*1 ) |
スコープ1+2 CO2排出量(絶対量)削減率(基準年:2017年) | 55% | 2030年 | 42%(35%) |
使用電力における再生可能電力の比率 | 100% | 2030年 | 69%(57%) |
資源循環型社会の構築に向けて、2040年までにプラスチック包装容器使用量とプラスチック再資源化に関与した量が等しくなる「ごみゼロ」、2050年までにプラスチック包装容器の使用量を再資源化量が上回る「ごみネガティブ」の達成をめざしています。
指標 | 中長期目標 目標値 |
中長期目標 目標年 |
2024年実績(前年) |
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包装容器への化石由来のプラスチック使用量 | ピークアウトさせる | 2030年 | 79千トン(79千トン*2 ) |
革新的な容器の年間普及量(花王+社外)*3 | 3億個 | 2030年 | 1.0億個(0.46億個*4 ) |
花王が関与したプラスチック再資源化率 | 50% | 2030年 | 8%(6%) |
PET容器への再生プラスチックの使用率(日本) | 100% | 2025年 | 90%(81%) |
花王の拠点(生産拠点から開始)から排出された廃棄物量に占めるリサイクルされない廃棄物量の比率 | ゼロ(1%未満) | 2030年 | 4.6%(4.3%) |
製品廃棄物・販促物廃棄物の削減率(基準年:2020年) | 95% | 2030年 | 35%(43%) |
資源保護、環境保全や安全、人権などに配慮した原材料を調達するとともに、トレーサビリティの確保に努め、サプライヤーとの対話を通じ、よりサステナブルな原材料調達をめざします。
指標 | 中長期目標 目標値 |
中長期目標 目標年 |
2024年実績(前年) |
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家庭用製品に使用した認証紙製品・パルプの比率 | 100% | 2025年 | 99.6%(98%) |
小規模パーム農園までのトレーサビリティ確認 | 完了 | 2025年 | 農園までのトレーサビリティ確認:88%完了(農園までのトレーサビリティ確認:87%完了) |
※持続可能なパーム油調達に向けた取り組みの進捗は、こちらからご覧いただけます。
花王グループは130年以上にわたり、「豊かな共生世界の実現」、つまり「Kirei Lifestyle」(キレイライフスタイル)の実現に取り組んでいます。日本語の「きれい」という言葉は、清潔、秩序、美、といったすべての状態を意味しています。「きれい」とは、外見だけではありません。自分のため、他の人々のため、私たちをとりまく自然界のため、美しさを創造しようとする生き方をも表します。花王グループは、生活者の持続可能な暮らしの実現をめざし、2019年にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定しました。2030年までに少なくとも10億人が、よりこころ豊かな暮らしを送り、100%の製品が全ライフスタイルにおいて、科学的に地球が許容できる範囲内の環境フットプリントとなることをめざしています。
詳細は、花王ウェブサイト内「サステナビリティ」をご覧ください。