発表資料: 2024年03月11日

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花王とアイスタイル、『RNA共創コンソーシアム』を設立

企業の垣根を超えて「作る」「売る」「選ぶ」の新基準を制定
ビューティ&ヘルス産業全体で、サステナブルな消費サイクル実現に挑む

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)と株式会社アイスタイル(社長・遠藤宗)は、2024年3月11日、ビューティ&ヘルス産業のサステナブルな発展のため、「皮脂RNAモニタリング*1 」技術を核としたビジネス共創をめざす「RNA共創コンソーシアム」を共同設立します。
「皮脂RNAモニタリング*1 」技術を提供する花王と、美容に特化した日本最大のプラットフォーマーであるアイスタイルが理事となり、運営委員会を組織。共創パートナーとして、株式会社コーセー(社長・小林一俊)、株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(社長・松本清雄)、キリンホールディングス株式会社(社長・磯崎功典)、パーフェクト株式会社(代表取締役・磯崎順信)、株式会社ヘルスケアシステムズ(社長・瀧本陽介)といった各業界を代表する企業を幹事社として迎えます。
今後、本コンソーシアムでは、RNA情報を基準に、生活者にとってさらに満足度の高いパーソナルな商品・サービス選択が叶う仕組みの創出をめざします。同時に、需給バランスを整えることで、人にも環境にも負荷をかけない、サステナブルな消費サイクルを実現することを目標に、活動を開始します。

RNA共創コンソーシアムのロゴ

背景

人生100年時代と言われる中、健康で快適な生活を送りたいというニーズはより高くなっています。市場はそのための美容健康サービスや情報であふれていますが、一方で、選択肢の多さゆえに「何が自分に合うのか」がわからず、悩む生活者も少なくありません。このような時代背景を受け、ビューティ&ヘルス業界では、生活者が今の自分の状態を正しく知り、多くの選択肢の中から「自分のめざす姿に何が最も必要なのかを見極めるための基準」が必要という気運が高まっています。
一方、企業には、多様性を考慮した商品・サービスの提供やESG(環境、社会、ガバナンス)視点での経済活動が求められています。サービスを提供する企業がそれぞれ、豊富な選択肢の中から最短・最適な選択ができるような提案を行っていくことは、環境にも人にも負荷をかけない新たな市場の創造につながると考えます。

「皮脂RNAモニタリング」技術について

「皮脂RNAモニタリング」は、あぶらとりフィルムで顔の皮脂を採取し、その皮脂からRNAを抽出して網羅的に分析する花王独自の解析技術です(図1)。DNAが、その人固有の一生変化しない情報であるのに対し、RNAは、体調や食生活、運動、ストレス、紫外線といった環境要因によって日々変化するため、その時々の肌や体の状態を知るのに有用であると言えます。花王はこれまでに、皮脂RNAにより、体や肌のさまざまな状態の推測ができること、乳幼児アトピー性皮膚炎やパーキンソン病を早期に判別できる可能性があることなどを研究成果として報告してきました。

図1 RNAモニタリング~皮脂採取、RNAの抽出、精製および解析の流れ

図1 RNAモニタリング~皮脂採取、RNAの抽出、精製および解析の流れ

コンソーシアム設立の起点となる花王とアイスタイルとの取り組み

花王とアイスタイルは、2022年から、アイスタイルが運営する「@cosme」サイトで承諾を得られた会員の皮脂RNAを収集して、似た皮脂RNA特徴を持つ人をグルーピングし、選ばれる化粧品の傾向を解析するという共同取り組みを進めてきました*2
花王はこのグルーピングについて検討を進め、RNA発現の類似度に基づき2つの肌タイプが存在することを報告しています*3 。さらに花王は、両社の共同取り組みで得られた皮脂RNAと画像情報をもとに、これまで皮脂を直接顔から採取しなければ解析できなかった肌タイプ分類(肌遺伝子モード)を、顔写真から特定する技術も開発しました。

「RNA共創コンソーシアム」設立の目的と活動について

このような、花王とアイスタイルによるこれまでの取り組みを通じて、RNA情報が商品選択のひとつの基準として有用である可能性が見いだされてきています。そこで両社は、「皮脂RNAモニタリング」技術を核とした、さまざまな企業とのビジネス共創をめざし、「RNA共創コンソーシアム」を立ち上げます。
本コンソーシアムでは、美容健康サービスの「作る」「売る」「選ぶ」ための新基準制定や標準化、ビジネスユースケースの実証、ビジネス連携支援等の活動を推進します。RNA情報を基準としたケアやサービスが社会に浸透することで、生活者にとってはさらに満足度の高い商品選びを叶えると同時に、美容、ヘルスケアをはじめとするさまざまな領域の企業においても、生活者の悩みに対応する新たなソリューション提案や、商品開発・サービス開発におけるイノベーションの推進につながることが期待されます。
これらをビューティ&ヘルス業界全体で取り組むべく、今後、美容や健康・食といった幅広い業界から参画企業を募ります。そして、各社の持つデータや研究知見を融合して顧客や産業の課題解決を促進し、新たな価値を創造することで、業界のサステナブルな発展を実現していきます。

図2 「RNA共創コンソーシアム」を基点とした各タッチポイントでの活動イメージ

図2 「RNA共創コンソーシアム」を基点とした各タッチポイントでの活動イメージ

『RNA共創コンソーシアム』概要

正式名称 「RNA共創コンソーシアム」(RNA Co-creation Consortium)

理事企業(運営委員会)

活動内容

  1. 「皮脂RNAモニタリング」技術を活用した事業の実証実験への支援と推進(実証活動)
    • 生活者の悩みに対応する新たなソリューションのデザインと検証
    • ビューティ領域、ヘルスケア領域における商品開発やサービス開発のイノベーションの推進
    • データ保護と厳格なポリシーに基づいた生活者データの利活用
  2. 『RNA共創コンソーシアム』内外のビジネスマッチングや連携支援
    • コンソーシアムで得た実証実験結果の社会への発信
    • 実証実験で得られた成果の社会実装支援
  3. RNAに関するデータ保護とプライバシーに関する厳格なポリシーの設定

花王は「未来のいのちを守る」を中期経営計画「K27」のビジョンとし、世界の中で誰かにとって欠かせない唯一無二の存在となる「グローバル・シャープトップ」事業を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。

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