発表資料: 2023年03月17日

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ほこり・花粉などの微粒子の付着を防ぐことの肌への影響を確認

~肌への接触刺激の過敏さについての検討~

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)スキンケア研究所は、ほこりや花粉などの微粒子の肌への付着を抑制することにより、肌にものが触れることに対して敏感意識のある肌で、5Hzの電流知覚閾値(いきち)(CPT値*1 )が高くなり、刺激感を感じにくくなることを確認しました。
今回の研究成果は、第5回 日本フォトダーマトロジー学会 学術大会(2022年11月18~21日・東京)にて発表しました。

  • * 1 肌に流す電流量を徐々に増加させる中で最初に電気刺激を感じる値。流す電流の周波数を変えることで、刺激される神経線維が変わる。

肌への微粒子付着を抑制するイメージ図

肌への微粒子付着を抑制する技術(イメージ)

背景

空気中には、ほこりや花粉などの目に見えない微粒子が浮遊しています。これらの微粒子の肌への影響として、肌がくすんで見えたり、肌あれなどのトラブルが生じたりすることがあります。特にバリア機能が低下している肌では、大気汚染物質が肌に付着するとかゆみを感じやすい状態になるという報告もあります*2 。また、日本、中国、タイにおいて肌が敏感という意識がある方に行った調査*3 では、花粉、大気汚染も肌が敏感になる要因のひとつと考えられていることがわかりました。
花王は微粒子の肌への付着を抑制する技術を開発しており*4 、今回は、この技術の肌への影響を検証しました。

肌への接触刺激に対する敏感さの指標

肌の敏感さを評価する指標としては、角層バリア機能(水分蒸散量/TEWL)や電流知覚閾値(CPT値)が知られています。そこで、肌に外部因子が触れることに対する敏感意識を調査したところ*5 、大気汚染によって不快を感じる、接触刺激による不快感が気になるなどのスコアが高い人ほどCPT値が低いという相関があることがわかりました(図1)。一方、一般的な乾燥性敏感肌の指標であるTEWLと接触敏感意識との相関はありませんでした。

  • * 5 20~49歳女性40名、2019年9月

接触敏感意識スコアと肌物性(CPT値、TEWL)の相関を示す図

図1 接触敏感意識スコアと肌物性の相関

微粒子付着抑制技術の連用により外部刺激を感じにくくなる

花王は、花粉や微粒子などの外部刺激により不快を感じると回答した20~49歳の女性に、花粉や微粒子の飛散が多い3~4月に4週間、微粒子付着抑制率64%の試験品または3%の対照品を継続して使用してもらいました*6 。その結果、肌が敏感な方ではムズムズとしたかゆみに感じる程度の電流周波数5HzのCPT値において、試験品を継続使用したグループは頬と目元のどちらの部位でも有意に刺激を感じにくくなっていました(図2)。

  • * 6 20~49歳女性87名、2021年3~4月

試験品または対象品を4週間連用したときの、CPT値の変化を示す図。

図2 連用によるCPT値(5Hz)の変化

まとめ

今回の検討結果から、接触刺激を感じやすい肌に対して、花粉などの微粒子の付着を抑制すると刺激感を感じにくくなる可能性が示されました。花王は、今後この知見を活かし、肌が敏感と感じる方のQOL向上と快適な日常生活の実現に向けて取り組んでいきます。

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