界面構造制御カプセルによるUV防御の均一持続塗膜技術

UVケア

太陽光に含まれる紫外線は、日やけ、日やけによるシミ、シワなどを引き起こす原因になります。この紫外線による日やけを効果的に防ぐためには、日やけ止めでムラなく均一に肌を覆う必要があります。
花王は高いUV防御効果を実現すべく、ミクロンレベルでの均一性をめざした技術を開発しました。

日やけ止め処方の紫外線防御剤は油溶性成分が多いため、O/W型(水中油型)乳化物の場合、油相部分は紫外線を防御できても、水相部分は揮発するとその部分はすき間となり紫外線が透過しやすくなります。この水相部分に水溶性の紫外線防御剤を使用しても水に溶けるため、汗や水で落ち易いという課題があります。
花王は、水にも油にも親和性を持つ両親媒性の固体脂をカプセル化剤として、油溶性の紫外線防御剤を内包した微小なカプセルを調製し水相に分散させることで、水相が揮発しても紫外線防御剤ですき間を被覆することができる日やけ止め処方を開発しました。均一な紫外線防御膜が形成されることで、ミクロンレベルの塗りムラを防ぐことができます。

また、日やけ止め塗膜に紫外線を照射したときの紫外線反射光画像を計測する技術も開発しました。この技術では、目に見えない日やけ止めの効果を短時間で画像計測することができます。

これらの技術を応用することで、高い紫外線防御効果を実現しながら、お客さまに毎日気持ちよくお使いいただける日やけ止め製剤をお届けしています。

紫外線防御剤内包カプセルのTEM画像。紫外線防御剤を含む油剤がカプセルで包まれている様子を示している。カプセルの大きさは0.2ミクロンほど。

紫外線防御剤内包カプセルのTEM画像

一般的な日やけ止め製剤では、水相が蒸発する際に、紫外線防御剤を含む油相の膜にミクロンレベルの隙間を生じさせ、紫外線が透過しやすくなってしまう。それに対して、紫外線防御剤内包カプセル配合製剤は、水相の蒸発によって生じる隙間部分をカプセルが埋め、紫外線を通す隙間がなくなり、均一な紫外線防御膜を形成する。

右側は、一般的な日焼け止め製剤を皮膚モデルに塗布してUV顕微鏡で観察した図。紫外線が透過しやすいミクロンレベルの隙間があることが確認できる。それに対して、左側は、紫外線防御剤内包カプセル配合製剤を皮膚モデルに塗布してUV顕微鏡で観察した図で、隙間が無い均一な紫外線防御膜が形成されていることが確認できる。

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