皮脂RNAモニタリング技術と先端スキンケア

はじめに

花王は、健康課題に対し、その原因を的確に把握し、さまざまな角度からソリューション提案を行う「プレシジョン・ライフケア」構想を進めています。
化粧品事業分野においてもこの考えを導入し、いまの肌の状態を精緻に把握するプレシジョン・スキン・モニタリング「スキンポテンシャルアナリシス」を確立しました。

スキンポテンシャルアナリシス

花王では、長年の研究にわたる皮膚科学研究の中で、独自の皮膚解析技術を確立してきました。
花王独自の『皮脂RNA モニタリング』と『コルネオスペクトル解析』を組み合わせることで、肌悩みの本質に迫る先進の『スキンモニタリング技術』が完成しました。
この技術においては、自分自身で適時・適切な方法で皮脂RNAと角層を採取すれば、近隣に店舗やアドバイザーがいないような条件でも、精緻な肌状態を知ることができます。

皮脂RNAモニタリングを表現するイメージ図とコルネオスペクトル解析のイメージ図

『コルネオスペクトル解析(特許出願中)』とは?

専用テープで採取した角層を、赤外分光測定器で測定することで、角層機能を高精度に解析できる花王独自の技術です。
角層を構成するすべての物質を分子レベルのデータで取得し、さらにその取得されたデータを多変量解析することで、角層本来の機能を予測・解析する事が可能となりました。

コルネオスペクトル解析の手順の説明図。専用テープで角層を採取し、赤外分光測定器で角層の分子レベルのデータを取得し、多変量解析で角層本来の機能を予測・解析します。

『皮脂RNA モニタリング』とは?

花王では、長年にわたる皮膚科学研究の中で、RNAが皮脂中に存在していることを発見し、この皮脂中のRNAを抽出・分析する独自技術を開発してきました。
取得したRNA情報を機械学習などの手法も含めて解析することで、これまで把握が難しかった肌状態に影響する肌内部要因を含めたトータルの要因予測が可能となりました。化粧品事業分野のみならず、将来的にさまざまな分野への応用が期待されています。

皮脂RNAモニタリングの手順の説明図。皮脂中のRNAをあぶらとりフィルムで採取し、RNAのデータ解析により、肌性状や肌悩みの要因予測が可能になります。

『RNA』とは?

DNAは体の形や体質など、人が生まれながらに持つ特徴を生み出し「体の設計図」とも言われ、一生涯変化しません。
一方、DNA情報に基づき、酵素やホルモンなど体内でいろいろなはたらきをするタンパク質を生み出すもととなるのがRNAです。
RNAは体の部位や組織ごとに種類や量が異なり、体調や環境などの影響で日々変動するという性質があります。

DNAは生涯変わらずに体の部位によって差がないのに対し、RNAは絶えず変動し体の部位によって種類や量が異なります。RNAは、体内でいろいろなはたらきをするタンパク質を生み出す元となっています。

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