土木・建築
コンクリートは水、セメント、砂、砂利から成り、その強度は水とセメントの比率で決まります。水の比率が低ければコンクリートの強度は向上しますが、コンクリートの流動性が低下するため、作業性が悪化します。
そこで、花王は、「セメント粒子の分散」に着目し、理想的なセメント粒子表面への吸着量や吸着形態を追及して、高性能AE減水剤『マイテイ』を開発し、低含水量でも強度と作業性を両立するコンクリートの製造を可能にしてきました。また、近年ではコンクリート製品の生産性向上のため、短期強度発現によるコンクリートの型枠からの早期脱型や、高い流動性付与による作業性向上を実現させています。
また、湧水の多いトンネル工事や、水辺の護岸工事、埋立地では、投入するコンクリートが水中や海水中に飛散しないように、自然環境に配慮した工事が必要となり、コストアップや工期延長につながっていました。
そこで、花王では界面科学を駆使して、ひも状ミセルが持つ特異な粘弾性を付与したレオロジー改質剤『ビスコトップ』を開発しました。この剤により、水中・海水中でも飛散することなく、高い充填性を持ちながらコンクリート材料の分離を発生させない安心、安全な工事が可能となりました。
今後も、花王オリジナルのスラリーレオロジー制御技術をベースとした技術開発を行い、社会インフラの発展に貢献してまいります。
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この動画は、マイテイを使用しているセメントと使用していないセメントを比較しています。
高性能AE減水剤『マイテイ』の文字。
底が空いた筒形容器に入ったセメントが左右に1つずつ映し出されている。左はマイテイ未使用のセメント、右にはマイテイ使用のセメント。
スタッフが容器を持ち上げると、マイテイ未使用のセメントはゆっくりと流れ出て、円に広がる。マイテイ使用のセメントはすばやく流れ出て、マイテイ未使用の2倍ほどの円に広がる。
00:15
マイテイ使用のセメントの容器をひっくり返し、別のスタッフが中に残ったセメントを掻き出す。
00:29
マイテイ使用のセメントの作業が終わり、スタッフが退避する。
00:35
マイテイ未使用のセメントの容器をひっくり返し、別のスタッフが中に残ったセメントを掻き出す。
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この動画は、ビスコトップを使用しているセメントスラリーと使用していないセメントスラリーを比較しています。
レオロジー改質剤『ビスコトップ』の文字。
水の入った上部が開放された透明な直方体容器が左右に1つずつ映し出される。左にビスコトップ未使用のセメントスラリー、右にビスコトップ使用のセメントスラリーをそれぞれ少量ずつ投入。容器に流れ込んでいる様子から、左側のビスコトップ未使用のセメントスラリーよりも右側のビスコトップ使用のセメントスラリーはスラリーの粘度が高いことが分かる。
左のビスコトップ未使用のセメントスラリーは直方体容器の水の中で拡散し、水を濁らせながら、容器下部に到達する。右のビスコトップ使用のセメントスラリーは水の中で拡散せず、水を濁らせずに、容器下部に到達する。