顔料ナノ分散技術を応用した「水性インクジェット用インク」

デジタル用印字材料

花王は、独自に設計した機能性ポリマーでナノサイズの顔料を被覆した(顔料ナノ分散技術)、水性のインクジェットインク用色材(顔料分散液)を開発し、高い信頼性で高速・高画質印刷を可能にするインクジェット色材技術を追求してきました。

これまで培ってきた「顔料ナノ分散技術」をさらに応用し、軟包装用フィルム基材への印刷に対して、VOCレス設計で環境負荷を低減した水性インクジェット用顔料インクの開発に成功いたしました。その結果、高品質で環境負荷を低減した、軟包装用フィルム印刷物を提供することが実現できました。顔料ナノ分散技術により、

  1. 高い吐出安定性
  2. 均一なドット形成(フィルム上での乾燥時凝集抑制)
  3. 広範なインク配合への適合性(親・疎水溶媒下での安定性維持)

といった価値を提案しました。

今後もインクジェット用インク・色材技術開発を通して、人と環境にやさしいエコ・プリンティング・ソリューションを提供することで、彩りある豊かな生活の実現に貢献してまいります。

新規に開発した顔料分散体の電子顕微鏡写真からは、顔料がポリマーに被覆されカプセル化している様子がわかる。 イメージ図では、顔料側から、吸着力を持つ疎水性カプセル化層、静電斥力層、立体斥力層で構成されていることが示されている。

【顔料ナノ分散技術】 ナノカプセル顔料の電子顕微鏡写真とイメージ図

従来の顔料分散体と開発したナノカプセル顔料を使用した分散体の、インクジェット印刷した時の液滴の飛翔の様子を比較した写真。従来品では、インク液滴の尾が長く引いてまとまりにくく、ナノカプセル顔料を使用した分散体では、インク液滴の尾が短く、まとまりやすい。

【吐出安定性】 インクジェット印刷時の液滴飛翔状態の比較

従来品と、ナノカプセル顔料を使用した開発品の顔料分散体で印刷した時の印字物の表面粗さをイメージングで比較した写真。従来品はクレーターのように凸凹しているが、開発品では滑らかで凸凹が少ない。

【ドット均一性】 印字物の表面粗さを示すイメージ図の比較

開発した水性インクジェット用インクを使用して、お菓子包装等に軟包装フィルム基材への印刷を行った写真。

水系インクジェット用インク軟包装フィルム基材への印刷

Page Top