1400℃の耐熱性を持つ紙製パイプ(EGランナー)の開発

高耐熱性材料

花王では、石油由来のプラスチックの代替として、再生可能な植物由来のパルプに着目し、廃棄されても環境負荷の小さい紙ボトルの成形技術を開発しました。その過程で獲得した技術を新たな分野に活用することで1400℃の高温にも耐える紙製の鋳造用湯道管「EGランナー」が誕生しました。

鋳造とは、溶けた金属を鋳型に流し入れ、冷やし固める加工法です。通常は、溶けた金属を鋳型まで導入する際に、陶管(陶器製)が使用されますが、重くて割れやすく、鋳造後の廃棄物も多いという問題がありました。
花王は、紙ボトル開発で培った立体成形技術と機能性材料の複合化技術を深化させることにより、高温に晒されても炭化して強度を維持する樹脂や、耐熱性の無機粒子などをパルプへ固定化することでパイプ形状のEGランナーを開発することができました。

EGランナーは、陶管に比べて約10分の1の重量、鋳造後の廃棄物は94%削減、CO2排出量を約70%削減することができます。今後も、人と地球にやさしい鋳物づくりに貢献していきます。

受賞歴
2009年5月 日本化学工業協会 「第41回 日化協技術賞環境技術賞」
2019年7月 公益社団法人新化学技術推進協会 「第16回 グリーン・サステイナブル ケミストリー賞 経済産業大臣賞」

鋳造とは溶融金属を鋳型に流し入れる加工法で、湯道管は溶融金属を製品部へ導く配管です。花王はパルプや粒子の複合化技術により紙ベースの湯道管EGランナーを開発しました。

EGランナーは陶管に比べて、約10分の1の重量、鋳造後の廃棄物を約94%削減、二酸化炭素排出量を約70%削減することができます。

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