高速混合マイクロミキサーによる微細乳化技術とスキンケア製品への応用

粒子構造制御

乳化とは、混ざり合わない2液の一方が液滴となり、他方の液中に分散した状態のことで、医薬品、化粧品、食品、化学品などのさまざまな分野で用いられています。
化粧品の分野においては、製品の機能を向上させるために、機能性成分を含む油を水中に微細に分散させる技術が求められています。一般的に、微細な乳化物を得るためには、界面活性剤を大量に配合する、あるいは、エネルギーを大量に投入する必要があり、環境に負荷をかけてしまうことが課題でした。

花王は、独自に開発した数百μm以下の微細な流路を有するマイクロミキサーを用いることによって、機能性成分を含む油と水の高速混合を可能にし、少量の界面活性剤と投入エネルギーで効率よく微細化する新しい乳化技術を開発しました。この技術を応用することにより、世界で初めて、セラミド機能成分を含むサブミクロンの粒子*1 を高配合したスプレー剤型の化粧水を商品化しました。

花王は今後も、高機能化、高生産性、環境負荷低減を同時に満足する新しい微細乳化技術を、さまざまな分野へ展開していきます。

  • * 1 セラミド機能成分(ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド)、コレステロール、ステアロイルメチルタウリンNaを非結晶化したサブミクロンの粒子

左上がマイクロミキサーの外観の写真、左下がその内部で油相と水相が微細な流路を通る時に油が微細化する様子を模式的に表した図です。 右の2つの写真はセラミド機能成分含有粒子分散体で、左側がマイクロミキサー品、右側が従来技術品です。

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