成形加工
花王で開発したファインファイバー(FF)技術は、電気の力を用いて直径1μm以下の極細繊維からなる、極薄膜をつくることができます。この膜は、軽く、やわらかく、肌の動きに柔軟に追従し、肌表面をなめらかに整える性質があります。
たとえば繊維の直径が100μmから1μmまで細くなると、比表面積が100倍、毛管力が100倍、やわらかさは1億倍まで向上し、膜の物性が桁違いに変化します。繊維の柔らかさが向上することで、膜の追従性が飛躍的に向上し、はがれにくく、肌に自然になじみます。
また、高い毛管力は、長時間、繊維ネットワーク中で製剤を保持することを可能にします。極細繊維シート(FFシート)をスキンケア製剤と併用することで、FFシート中に製剤を長時間保持し、肌上に理想的な湿潤環境をつくり出すことができるのです。
花王では、FFシートを製造する方法として、高分子溶液に高電圧を印加して極細繊維を作製する「エレクトロスピニング法」に着目し、製造技術を開発しています。従来のエレクトロスピニング法は生産性が低く、コストが高くなることが課題でしたが、紡糸ポリマーの物性制御や電場制御などを通じて、高機能と生産能力を両立することができました。
今後、このFF技術をさまざまな分野に応用して、お客さまに新たな価値をお届けすることをめざしています。
エレクトロスピニング(ES)法
ファインファイバーの皮膚上の構造