酵素科学
花王は30年以上にわたって独自の洗剤用酵素やその製造技術について研究開発を行い、その成果を衣料用洗剤などの自社製品に応用しています*1 。
酵素開発研究では、自然界から求める酵素活性を有する微生物のスクリーニング、データベースを活用した酵素配列の設計、および必要な機能を効率的に強化するためにin silico技術を駆使した研究を行っています。
酵素配列のスクリーニングや酵素特性の改良に掛かる時間や作業量をより低減させつつ、製品の性能に重要な活性や保存安定性などの特性を従来の酵素に対して大きく向上させた酵素を開発することをめざしています。
酵素の製造技術開発研究では、枯草菌や糸状菌を用いた発酵工学研究に加え、タンパク質生産時のプロテオームやメタボローム、代謝フラックス解析を組み合わせて多層的に現象を理解するマルチオミックス解析などを活用することで、どんなタンパク質素材でも産業利用可能な生産レベルを実現させる技術の確立に挑戦し続けています*2,3,4 。
近年は自社製品への配合に加え、その高い酵素開発技術を活かし、くるべき循環型社会に貢献すべく、産官学連携しながらバイオマス糖化酵素の開発にも取り組んでいます*5,6 。