ラメラ構造化技術を搭載したシャンプー
~脂質成分を多量に配合し、 補給しながら洗う~
これまでヘアケア市場には様々な技術や成分が搭載された製品が発売されてきましたが、髪のパサつきやまとまりのなさといった悩みを持っている人はいまだに多く存在しています。その原因の一つとして、脂質成分が毛髪から抜け落ちてしまうことが挙げられます。脂質成分はパーマやカラーなどの化学処理だけでなく、日頃のシャンプーでも失われやすいため、シャンプーからケアをすることが重要です。
これまでのシャンプーでは、界面活性剤が水中でミセルと呼ばれる球状の集合状態を形成しており、その内側にしか脂質成分を抱え込めないため、十分な量の脂質成分をシャンプーに配合することができませんでした。そこで花王は、水層と油層が交互に重なり合ったラメラ構造に着目しました。ラメラ構造では、油層に多量の脂質成分を取り込むことができるため、これをシャンプーに応用することを考えました。
一般的に界面活性剤と脂肪酸を組み合わせることによって、ラメラ構造を作ることが可能ですが、シャンプーに応用しようとすると、泡立ち性やすすぎ時のなめらかさが不足します。そこで、界面活性剤と脂肪酸に加えて、さまざまな成分の組み合わせを繰り返し検証した結果、脂肪族アルコールと脂肪酸グリセリドを組み合わせることによって、シャンプーの基本性能を備えつつ、脂質成分も多量に配合することが可能なラメラ構造シャンプー剤型の技術を確立しました。
脂質成分を配合したラメラ構造を有するシャンプーで毛束を30回洗髪し、脂質成分の毛髪への残留量と毛束の外観を調べました*1。その結果、洗髪を繰り返すことで、配合した脂質成分の毛髪への残留量が増加すること、および、毛束が揃い、まとまることを確認しました。