未来のIoT社会を支える半導体洗浄剤の開発とエコ洗浄プロセスに関する研究

精密工業・エレクトロニクス

私たちの暮らしを安心・安全・便利にするために、さまざまなところに半導体が使われており、IoT社会の発展に伴い需要はさらに増加しています。半導体を製造する工程は数百と非常に多く、特に洗浄工程では超純水や薬品を長時間使用することにより、膨大なCO2を排出します。
花王では、世界が注目する半導体産業において、CO2排出量を大幅に削減しながら、従来よりもキレイに洗浄できる洗浄剤の開発に取り組んでいます。
長時間洗浄の原因は、研磨由来のシリカ粒子が付着したまま洗浄に持込まれるためです。シリカが残留すると半導体基板の収率に大きく影響しますが、直径30cmの基板に100ナノメートル以下のシリカ粒子が約7兆個も付着しており、水ですすいだくらいではナノサイズの微粒子は簡単には除去できないため、大量の超純水や薬品を使った長時間の洗浄によって限りなくゼロ個まで低減する必要があります。
そこで花王は、洗浄工程へ持込むシリカの量を大幅に低減することが洗浄時間短縮に有効と考えました。微小シリカを除去する洗浄効果と基板表面の汚染を防ぐ親水化効果を兼ね備えたプレ洗浄剤を開発。研磨直後に研磨機上でプレ洗浄工程を導入し、僅か数十秒間、プレ洗浄剤ですすぐだけでシリカ付着物を大幅に落とすことに成功しました。現在は洗浄工程削減/CO2排出量削減に向けた検証を進めています。

研磨後(基板にシリカが多量付着)

プレ洗浄後(シリカ付着を大幅に除去)

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