発表資料: 2020年09月02日

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ワンウェイプラスチックの水平リサイクルに向けた資源循環型モデル事業の実証を開始

東京都「プラスチックの持続可能な利用に向けた新たなビジネスモデル」公募の事業者に採択

花王株式会社(社長・澤田道隆)は、このたび、東京都による「プラスチックの持続可能な利用に向けた新たなビジネスモデル」公募の事業者に採択されました。参加企業・団体と共に、「ワンウェイプラスチックの水平リサイクル*1 に向けた資源循環型モデル事業」に取り組んでいきます。

  • * 1 同じ用途を持つ製品にリサイクルすること

花王は、1990年代より製品の濃縮化による容器のコンパクト化、つめかえ・つけかえ用製品の開発と普及により、包装容器のプラスチック使用量の削減に取り組んできました。一方で、このようなプラスチック包装容器を含む、飲料用ペットボトル以外の「その他プラスチック」(その他プラ)の包装容器は、リサイクルが進んでいないのが現状で、その多くはエネルギー回収、単純焼却、埋め立て、海外輸出など、いわゆる「ワンウェイプラスチック」としての利用にとどまっています。特に、中国の廃プラスチック受入規制による海外輸出の制限後は、「その他プラ」の国内の処理状況はひっ迫。また、海洋プラスチック対策という観点からも、「その他プラ」の国内資源循環は不可欠となっています。

そこで今回、日用品メーカーの花王が主体となり、持続可能な社会の形成のために、資源を有効活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えた「ワンウェイプラスチックの水平リサイクルに向けた資源循環」に取り組みます。多分野にて環境配慮型製品開発を行なっている凸版印刷、国内資源循環に取り組む市川環境エンジニアリングとNPO法人 地球船クラブ エコミラ江東、生活者によるモニター評価を実施するNPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネット、通販事業で循環型製品の積極活用を計画しているヴィアックスからなるバリューチェーンと、業界の枠を超えて連携。単一素材(モノマテリアル)でできたつめかえ用フィルム容器や、剥離が容易なタックラベル(直接印刷によるプラスチック汚染の回避)、再生プラスチックを活用したボトル容器といった具体的な製品の開発と共に、使用済み包装容器の回収を含めた資源循環型システムを構築し、社会実装をめざします。

また、現在江東区において、住民が洗浄した食品用ポリスチレン容器(食品トレイなど)が個別回収され、東京都江東区にある施設エコミラ江東で異物除去等を行なうことで、純度の高いプラスチックペレットに加工されています。本モデル事業で回収する使用済み包装容器のペレット化には、このしくみを適用していきます。

今回の取り組みに対し、花王 代表取締役 専務執行役員 研究開発部門統括の長谷部佳宏は、「プラスチックごみ問題の中で、もっとも重要な課題であるワンウェイプラスチックの本質的な解決のためには、製品のバリューチェーンに関わる、より多くの企業が参加しやすいプラットフォームづくりが必要です。花王と本モデル事業の参加企業・団体が、CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)*2 において積極的な発信と呼びかけを行なうことで、多様なステークホルダーの理解と協力を得て、社会全体の取り組みとして進めていきたいと考えています。さらには、プラスチックごみ問題の解決、資源循環社会の実現につながる新たなソリューションとして、日本から世界へ発信していくことをめざします」としています。

  • * 2 地球環境の新たな課題である海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、業種を超えた幅広い関係者の連携を強め、イノベーションを加速するためのプラットフォーム

『ワンウェイプラスチックの水平リサイクルに向けた資源循環型モデル事業』概要

事業内容

トイレタリー製品のプラスチック包装容器に、単一素材(モノマテリアル)または再生プラスチックを使用。高度なリサイクル技術と、容器の設計、製造技術を活用することで、使い捨て容器の水平リサイクルをめざす。本実証実験の実施期間では、再生プラスチックを使用したボトル容器と単一素材(モノマテリアル)のつめかえ用フィルム容器を試作し、江東区の公共施設に配布する。
期間終了後にも、使用後のつめかえ用フィルム容器を回収・洗浄・ペレット化し、そのペレットより作成した、再生プラスチックを用いたボトル容器の試作は、花王が引き続き取り組んでいく。将来的には、つめかえ用フィルム容器からつめかえ用フィルム容器への水平リサイクルの実現をめざす。

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期間

2020年9月~2021年2月

参加企業・団体

凸版印刷
市川環境エンジニアリング
NPO法人 地球船クラブ エコミラ江東
NPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネット
ヴィアックス
※CLOMA*2 会員企業が随時参加予定

各参加企業・団体の役割

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1. 日用品メーカーである花王が、資源循環型製品および資源循環型システムの全体設計を実施
2. 凸版印刷が、資源循環型の単一素材(モノマテリアル)のつめかえ用フィルム容器を製造
3. 市川環境エンジニアリング(および同社協力企業)、NPO法人 地球船クラブ エコミラ江東において、加工しやすい再生ペレットの開発ならびに、ペレットを使用した資源循環型ボトル容器を開発
4. NPO法人 持続可能な社会をつくる元気ネットが、生活者モニター評価を実施
5. ヴィアックスの通販事業の物流ネットワークを活用して、試作品を江東区内の公共施設へ配送

花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」とプラスチック循環社会に向けた取り組み

花王グループは、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。2019年4月にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。花王グループがこれまでの企業活動の中で培ってきた「よきモノづくり」の思想を「ESG視点でのよきモノづくり」へと高め、環境や社会に配慮した取り組みを強化しています。

社会的課題のひとつであるプラスチックごみ問題に対しては、花王はこれまでも、プラスチック包装容器の薄肉化、つめかえの促進、濃縮化、大容量化などによって貢献してきました。2018年には、プラスチック包装容器に関する花王の姿勢をまとめた「私たちのプラスチック包装容器宣言」を公表しています。また、2019年9月には、プラスチック循環社会の実現に向けて「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」に注力していくことも発表しています。

花王グループは、今後も、花王らしいESG活動をグローバルに展開し、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでまいります。

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※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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