発表資料: 2023年03月06日

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塗り広げてすすぐだけで汚れを落とせる新しい洗浄技術を開発
~もっと楽に、肌をこすらずにメイクを落とす新提案~

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)スキンケア研究所は、塗り広げてすすぐだけで汚れを落とすことのできる新しい洗浄技術を開発しました。この技術は、今後、花王のメイク落とし商品に応用していきます。

今回の研究成果は、第103回日本化学会春季年会(2023年3月22~25日・千葉県)にて発表する予定です。

背景

花王は、肌にやさしく、汚れをきちんと落とすことが健康な肌に導くという考えに基づき、さまざまな皮膚洗浄技術の開発を続けています。快適に肌を洗うには、ごしごしこすらなくても汚れを落とせることが重要です。
昨今、メイクアップ製品には美しい塗膜が長時間続くことが求められており、このようなメイク製品には汗や摩擦でも塗膜が崩れないよう被膜剤が含まれています。そのため、落とすためにはメイク落としとメイクの汚れを肌の上でしっかりなじませる必要があります。一方で、このなじませる過程での手と肌の摩擦を負担に感じ、「メイクはしっかり落としたいけれど、肌をこするのは嫌」というジレンマを抱える方も見られるようになりました。
そこで花王は、こうした課題を解決するため、メイク落としを肌に塗り広げるだけで、なじませなくてもメイクを洗い流すことのできる新しい洗浄技術の開発を行いました。

メイクとメイク落としを手でなじませなくてもメイクを洗い流すことのできる新技術を開発

強固なメイク塗膜を力をかけずに溶かすことをめざし、さまざまな油剤を検討した結果、低粘度油剤が瞬時に被膜剤を溶解できることを見いだしました。しかし、この油剤だけでは水ですすいだ後に顔料などの粉体が肌に貼り付くように残ってしまいます。これは、メイクに用いられる粉体が肌となじみやすいためです。
そこですすぎ時に肌とメイク(粉体)ではなく、肌と水がよりなじむような肌表面の状態に整えるという新しい発想で、技術開発を行いました。その結果、特定の界面活性剤を応用した処方では、すすぎ時に肌表面と水のなじみやすさが向上し、肌とメイクの間に水が入り込んでメイクが離れていくことが確認できました。

塗布するだけでメイクが落ちるメカニズムのイメージ図。メイク落としに含まれる低粘度油剤が被膜剤を溶解し、メイク塗膜が解きほぐされる。さらに特定の界面活性剤が肌を親水化することで、肌とメイクの間に水が入り込み、メイクを肌からはがす。

図1 塗布するだけでメイクが落ちるメカニズム(イメージ)

これにより、塗布するだけでメイク塗膜を瞬時に解きほぐし、水ですすぐと肌とメイクの間に水が入り込むことでメイクを肌からやさしくはがし、するっとメイクを落とすことが可能になりました。

まとめ

今回、肌に塗布するだけで、手でなじませることなく、水で洗い流すとメイクが落とせる洗浄技術を開発することができました。これまで当たり前だった、汚れとメイク落としを手でなじませる行為が必要なくなると、メイク落としにまつわる日々のストレスのひとつを減らせると考えます。今後もお客さまの日常に寄り添い、健やかな暮らしの実現に貢献できるような技術開発を行っていきます。

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