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2020年12月22日

「ベトナム衛生プログラム」で、清潔・衛生習慣の定着に向けた活動を継続して展開

花王は、ベトナムにおける清潔・衛生習慣の定着に貢献するため、「ベトナム衛生プログラム」を実施しています。このプログラムは、「衛生管理リーダー育成プログラム」「衛生奨学金制度」「学校衛生プロジェクト」「楽しい手洗い教室」の4つの取り組みで構成されています。

それぞれの活動や取り組みのご紹介

衛生管理リーダー育成プログラム

「衛生管理リーダー育成プログラム」では、病院内の感染管理・衛生環境の向上に向けた取り組みを行なっています。日本の感染症専門家*1 からのアドバイスをいただきつつ、ベトナムでのパートナーであるハノイ医科大学病院での感染管理・衛生環境の向上をめざした取り組みを実施しています。

  • * 1 ご協力をいただいている専門家:東北医科薬科大学 賀来満夫特任教授、遠藤史郎病院教授、東北大学 吉田眞紀子先生、聖マリアンナ医科大学 國島広之教授、国立国際医療研究センター 黒須一見先生

2020年2月には、前年に引き続き、ハノイ医科大学から関係者を日本にお招きし、日本の感染管理についてご紹介、感染症の専門家との意見交換の場を設けました。
また、11月5日には、ハノイ医科大学病院で、2019年に実施した手指衛生遵守率の向上に向けた介入試験の成果発表会を実施しました。介入試験は、スタッフの手指衛生の実態を確認するモニタリングや、スタッフへの研修実施などにより意識啓発をはかるもので、来院患者を含めた地域への啓発にもつながりました。この介入試験の成果を見る指標となった手指衛生遵守率も大きな改善が見られ、これらの成果を、成果発表会を通じて広く共有しました。成果発表会には、ベトナムの保健行政関係者や病院の医療従事者および学生が参加し、日本からは、東北医科薬科大学賀来特任教授をはじめとした感染症の専門家がオンラインで参加しました。2021年には、こうした取り組みを引き続き強化しながら、感染管理の取り組みをさらに進めていく予定です。

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成果発表会でハノイ医科大学のビン先生が介入試験の成果を発表

衛生奨学金制度

ベトナムの保健衛生分野で活躍する食品衛生管理の専門家を育てることで、人々の健康な暮らしを実現していくことをめざしています。神奈川県立保健福祉大学と協力し、大学内に「花王衛生奨学基金」を設け、留学生に奨学金を提供しています。留学生は、中村学長をはじめとした教授陣*2 にご指導をいただき、生活面では同大学の学生のサポートもいただきながら、日々を過ごしています。

  • * 2 神奈川県立保健福祉大学 中村丁次学長、外山健二教授(現 国立奈良女子大学特任教授)、向井友花先生にご指導いただいています。

2020年3月には、一人目の留学生が神奈川県立保健福祉大学大学院博士前期課程を修了しました。修士論文は、日本とベトナムの食品衛生管理についての比較検討と病院厨房の菌の測定を通じた考察を行なったもので、まだ病院での調査例は少なく、貴重な研究となりました。
2020年4月には、二人目となる留学生が来日し、同じく神奈川県立保健福祉大学大学院に入学しています。

楽しい手洗い教室

ハノイ医科大学と協働し、2020年より、小学生向けの手洗い啓発活動を開始しています。9月、10月に、ハノイ市内の小学校2校で、学校の手洗い設備の設置状況を確認したり、児童の手洗いの様子を観察したり、学校関係者や児童へのアンケートを通じて、手洗いの状況を把握するベースライン調査を実施しました。並行して現地で受け入れ性が高い教材も開発し、11月より、子どもたちへの手洗い指導も進めています。2021年には、活動の効果を検証し、ハノイ市内のほかの小学校への展開も進める予定です。啓発活動をより広く展開することで、将来を担う子どもたちのさらなる衛生意識の向上をめざします。

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ベースライン調査で児童の手洗い行動を観察

花王グループでは、世界中の人々の「持続可能なライフスタイルを送りたい」という思いや行動に応えたいと、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を策定しています。このベトナムでの活動も、その一環として進めており、清潔・衛生習慣の定着を通じて、人々の豊かな生活文化の実現と社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献してまいります。

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