花王株式会社(代表取締役社長 長谷部佳宏、以下花王)とキリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典、以下キリン)は、和歌山県立医科大学(理事長・学長 宮下和久)が主宰し、NPO法人ヘルスプロモーション研究センター(理事長 有田幹雄、以下HPRC)が取りまとめているコホート研究*2 「わかやまヘルスプロモーションスタディ」に参画し、2022年11月から、内臓脂肪と、免疫の司令塔(プラズマサイトイド樹状細胞、以下pDC*3 )の活性*4 について、その関連を調査する研究を共同で実施しました。
近年、肥満がウイルス感染症の重症化につながる*5 など、肥満と免疫の関連性が注目されており、本研究では、内臓脂肪と免疫活性の関連性を調査しました。内臓脂肪が多いとpDC活性が低い(免疫機能が低い)こと、また、内臓脂肪が多く、かつpDC活性が低いと、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザの罹患リスクが高いことを日本で初めて*1 確認しました。この事実は世界でもまだ論文報告されていない*6 発見です。今回の研究成果は、宮城県で開催される第44回日本肥満学会・第41回日本肥満症治療学会学術集会(2023年11月25日(土)・26日(日))で発表します。
<日本初*1 となる発見>
<得られた示唆>
内臓脂肪量が少ない状態を保ち、pDC活性を高く維持することが、新型コロナウイルス感染症・インフルエンザへの罹患リスクの低減につながることが示唆された。
キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV*7 先進企業となる」ことを目指し、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス事業」の育成を進めています。キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
花王は、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定しました。また、2021年からは、「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画を推進しています。今後も、経営にESGの視点を導入し、事業の発展と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供をめざし、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に向けて取り組んでいきます。
花王とキリンは、両社の研究力を掛け合わせ、人々が健康に暮らせるためのさらなる健康価値の探索を続けていきます。