花王株式会社(代表取締役社長 長谷部佳宏、以下花王)とNANO MRNA株式会社(代表取締役社長 秋永士朗、以下NANO MRNA)は、花王が独自開発した免疫制御技術「SNAREVAX(スネアバックス)™ 」*1 を用いた、メッセンジャーRNA (mRNA)医薬品の創薬に向けた包括共同研究契約を締結しました。
花王はこれまで、界面科学や生命科学などに関する長年の研究資産を活用し、清潔・健康・美の実現に向けたさまざまな製品開発を行ってきました。今回、生命科学領域の研究を深化させ、mRNA医薬品に応用可能な免疫制御技術を生み出しました。
NANO MRNAは、医薬品開発における豊富な知見を持つmRNA医薬品創薬のパイオニアとして、mRNA医薬品候補の創出に特化した事業を推進しています。新たな技術を持つパートナーとの協働等による創薬活動を通じ、人々が必要とするmRNA医薬品を届けることをめざしています。
花王は、新技術を活かすパートナーとしてNANO MRNAに注目しました。mRNA医薬品で世界の患者へ貢献したいという両社の思いが合致し、2022年から、新規mRNA医薬品開発に向けたSNAREVAX™ の有効性検証を共同で実施。本技術が優れた免疫制御機能を有することを確認してきました。
本包括共同研究では、SNAREVAX™ を用い、アレルギー疾患をはじめとした領域において画期的なmRNA医薬品創薬に向けた研究開発を推進します。アレルギー疾患は世界的な社会課題の1つで、罹患すると著しいQOL低下を招くだけでなく、喘息の発作や食物アレルギーによるアナフィラキシーなど重篤な症状を引き起こすこともあります。世界アレルギー機構(WAO)によると、世界では、2.4~5.5億人が食物アレルギーに罹患しており、世界の子供の40~50%が1つ以上のアレルゲンを持つと報告されています。また、先進工業国では50年以上にわたりアレルギー疾患の有病率が上昇し続けています*2 。
今後、両社は、既存の医薬モダリティ(治療法)では十分な治療効果を得られない疾患に悩む人々への貢献をめざし、研究開発を推進していきます。
代表者 | 代表取締役社長 長谷部佳宏 |
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所在地 | 東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号 |
従業員数(連結) | 35,411名(2022年12月31日現在) |
事業内容 | 「ハイジーン&リビングケア」「ヘルス&ビューティケア」「ライフケア」「化粧品」のコンシューマープロダクツ事業、産業界のニーズに対応したケミカル事業を展開。 | 「豊かな共生世界の実現」をパーパスに、「Sustainability as the only path」と「未来のいのちを守る」をビジョンに掲げた中期経営計画を推進しています。
代表者 | 代表取締役社長 秋永士朗 |
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所在地 | 東京都港区愛宕二丁目5番1号 |
役職員数(連結) | 28名(2023年3月末現在) |
事業内容 | 新たな治療技術として注目されるmRNAに特化したIP Generator企業です。 | mRNA医薬品の研究開発に国内企業に先駆けて取り組んできた経験と実績及びこれまでに築いた豊富なネットワークを生かして、 効率的に複数のmRNA医薬品の創薬及び知財獲得を進め、臨床開発ステージに入る時点までに、臨床開発を実施可能な製薬企業にライセンスアウトします。