Japan / 日本語
花王、兵庫県養父市と連携協定を締結
重量運搬ドローンの自動運行技術を用いた一括輸送に関する実証実験
ドローン技術の活用で持続可能なサプライチェーンの構築と実装をめざす
花王（社長・長谷部佳宏）と兵庫県養父市（市長・広瀬栄 以下「養父市」）は、このたび7月27日に、ドローン技術を活用した持続可能なサプライチェーンの構築とその実装をめざす連携協定を締結しました。
本年秋、養父市との連携協定に基づき、重量運搬ドローンに関する技術を有する会社などと協働し、養父市の山間部における、重量運搬ドローンの自動運行技術を用いた一括運送ならびに自動搬送ロボットと連携した配送無人化をめざす実証実験を実施します。
花王、養父市の連携協定締結時の様子
（写真左：花王常務執行役員SCM部門統括 田端修、右：養父市 広瀬栄市長）
なお、本件は、兵庫県内の次世代産業を創出し、県民のさらなる安心安全な暮らしを実現するため、公益性の高い分野において民間企業が実施する社会課題の解決に資する実証実験を支援する公益財団法人新産業創造研究機構（NIRO＝ナイロ）による公募事業「令和5年度ドローン社会実装促進実証事業」において採択された実証実験です。
花王のめざすサプライチェーン
花王は、多様化する生活者のニーズに柔軟に対応できるマーケティングとモノづくりに向けて、需給計画や生産・物流機能の最適化・自動化・一体運営など持続可能なサプライチェーンの構築に向けさまざまな取り組みを進めています。また、トラックドライバーの不足やEコマース市場の拡大による輸送量の増加など物流課題に対応するため、他メーカーや物流事業者、卸売業者、販売店などと広く連携してサプライチェーン情報を共有し、共同輸送など効率化を実現する共創型物流プラットフォームの構築にも取り組んでいます。そして、多様なパートナーとの協働や先端技術の活用により、人と社会と地球にやさしい持続可能なサプライチェーンの構築をめざします。
一方で、花王は、自社の物流網を全国各地に有していますが、過疎地域や山間部では陸路輸送の負担が大きく、また輸送自体が難しい場合もあり、物流維持のための効率化は持続可能なサプライチェーンの構築に向けた課題のひとつです。
そこで今回、養父市協力のもと、重量運搬が可能なドローン技術を活用し、花王が全国に有する物流拠点や市街地スーパーなどに併設したドローン広域供給拠点（ドローンデポ）から、遠く離れた複数の山間部の商店などへの一括供給を想定した実証実験を実施します。また、今回の実証実験で得られた知見を活かし、今後は、さまざまなドローン技術の特性を活かした実証実験を継続的に実施していく予定です。2024年には、海上ルートを利用した長距離ドローン運送で時間短縮と効率化に向けた実証実験も検討するなど、花王の日用品物流の知見に加えてドローン技術を活用することで、新たに効果的な物流網の構築と社会実装・定期運航をめざし、順次取り組みを進めてまいります。
養父市との連携協定の概要
- ドローンを活用した中山間地域での新しい物流サービスの実証と経済性を含む検証
- ドローンを含む空路輸送から陸路物流網接続サービスの自動化についての共同検討
- 市民の健康衛生に係る啓発活動
実証実験の概要
| 実施時期 | 2023年秋 |
|---|---|
| 検証内容 | 20kg積載が可能な大型ドローンを使用した一括輸送の効果検証 山越えにおける電波の安定確保と飛行の安全性担保の検証 |
| 輸送物 | 花王製品 |
花王グループは、「豊かな共生世界の実現」をパーパスに、2019年にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」（キレイライフスタイルプラン）を策定し、2021年より「未来のいのちを守る～Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」に取り組んでいます。
また、ビジョンの中では“未来への5つの約束”を明文化しており、今回の取り組みはその中の「誰ひとり取り残さない、着実な一歩。Leave No One Behind」に寄与するものです。
「01Kao」具現化第2弾
今回の取り組みは、2021年7月より花王グループ全社員を対象にスタートした、社員一人ひとりが持つアイデアを公募し、事業化や社内構造改革等を実現させる制度「01Kao」（ゼロワンカオウ）における具現化第2弾となる取り組みです。花王は、中期経営計画「K25」の方針のひとつとして「社員活力の最大化」を掲げており、その一環として「01Kao」は大きな役割を果たしています。