2023年05月25日

  • お知らせ
  • 研究開発
  • 受賞

第22回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞「環境大臣賞」受賞
廃PETを利用したアスファルト舗装高耐久化技術の開発

花王株式会社は、「低品位廃PETを活用したアスファルト舗装の高耐久化」により、公益社団法人新化学技術推進協会の第22回グリーン・サステイナブル ケミストリー(以下、GSC)賞「環境大臣賞」を受賞しました。この賞は、グリーン・サステイナブル ケミストリーの推進に貢献する優れた業績が表彰されるもので、環境大臣賞は環境負荷低減に貢献し社会実装されたものに与えられます。

「ニュートラック」で舗装したJR九州BRT(バス高速輸送システム)専用道の写真

「ニュートラック」で舗装した
JR九州BRT(バス高速輸送システム)専用道

受賞研究の背景と概要

アスファルト舗装は、夏場の高温や重車両によって凹みが発生してしまう課題を抱えています。近年、温暖化によって路面温度は上昇しており、さらに今後は電気自動車の普及によって車両重量は増加すると予想されるため、舗装の高耐久化が求められています。花王は廃棄されるPET素材(廃PET)を原料に、加工のしやすさを維持したまま、舗装の耐久性を向上させる改質剤を開発しました。

本技術の特長

  1. 廃PETを原料として利用し、独自の化学処理によって改質剤にしています
  2. 添加したアスファルト舗装の耐久性を最大で5倍*1 高めます
  3. アスファルト舗装100m2あたり500mlPETボトル約1400本相当の廃PETを使用しています
  • * 1 一般的な舗装とわだちの深さを比較(往復走行回数約1000回において)

アスファルト舗装が高耐久化することで、路面の損傷が低減するため、補修工事に伴うCO2の発生やメンテナンス費用を抑制することが可能です。
花王は、本技術を応用したアスファルト改質剤を「ニュートラック」として2021年から販売を開始しており、すでに国内で多数の実績を上げています。さらに、寒冷地の道路に特化したものなど、耐久化以外の課題に対応した製品展開も進めています。今後も道路が抱える課題解決に貢献する製品の開発を行うとともに、国内のみならず、北米・アジア展開も進めていく予定です。

参考:花王の新化学技術推進協会GSC賞受賞履歴

第9回(2009年度) 亜臨界水を応用した低環境負荷な界面活性剤合成プロセスの実用化
第12回(2012年度) サステイナブル社会を先駆けた新しいお洗濯提案
第16回(2016年度) 紙ベース鋳造用湯道管の開発
第18回(2018年度) インクジェット用水性インクによる軟包装フィルムへの印刷の実現
第20回(2020年度) サステイナブル界面活性剤バイオIOS(Internal Olefin Sulfonate)の開発

ニュースリリース内を検索

詳細検索
発表年月
から
まで
タイプ
タグ

ニュース内を検索

詳細検索
発表年月
から
まで
タイプ
タグ
Page Top