保護者の肌ケア意識・行動の変化及び乳児の肌状態への影響を検討
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、蒲郡市(市長・鈴木寿明)と株式会社ヘルスケアシステムズ(社長・瀧本陽介)が2023年4月より開始する、「肌バリア検査による保護者の肌ケア意識・行動の変化及び乳幼児の肌状態への影響を検討する実証実験」に協力します。
この実証実験では、2023年3~11月に蒲郡市民病院で生まれた生後1カ月の乳児に対し、皮脂RNAの情報から肌バリア機能の状態を判定し、肌状態に合わせたアドバイスを提供することで、早い段階から肌ケアの習慣を推奨することの有用性を検証していきます。
肌の最外層にある角層には外部刺激から肌を守るバリア機能があります。肌バリア機能が低いとアトピー性皮膚炎の発症リスクが高いことがわかっており、乳幼児期に発症するアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーや気管支ぜんそくなどを引き起こす「アレルギーマーチ」の入口となることも指摘されています。そのため、肌のバリア機能低下の兆しを早くに見つけ、保湿などのケアによって、肌バリアを良い状態に保つことが有用であると考えられます。
2023年3月、ヘルスケアシステムズは花王の開発した皮脂RNAモニタリング技術*1 を活用し、見た目ではわからない乳幼児の肌バリア機能の状態を把握し、肌に合わせたアドバイスを提供する郵送検査サービスをスタートさせました。また、子育て支援や医療の充実に取り組む蒲郡市は、保護者が乳幼児の皮膚状態を把握し、早期から肌ケアへの意識を高め、肌に合ったケアを習慣とすることが子どもの健やかな成長にとって重要と考えました。
そこで、蒲郡市は、ヘルスケアシステムズとともに、花王の協力のもと、生後1カ月時点の乳児に肌バリア検査を活用した場合の保護者の肌ケア意識・行動を半年間調査するとともに、生後7カ月時点の肌の状態を生後1カ月時点で肌バリア検査を未実施の乳児と比較する実証実験を実施します。
蒲郡市は、市民の皆さまが安心して出産・子育てをできるよう、様々なニーズに即した支援・サービスを行っています。このたびの実証実験は「赤ちゃんの肌」がテーマです。将来にわたるお子様やご家族のQOLに影響を及ぼす健康課題に向けて、この取り組みが第一歩になることを期待しています。
子どもの健康を守るには保護者の方との連携が不可欠です。今回の検証は、ご家庭での乳児の肌ケア実態を広く知ることができるという点で、医療者にとっても大変意義深いものであると考えています。