即時シワ解消技術~高収縮性ポリマーを応用したほうれい線を目立ちにくくする技術

高分子化学

人の見た目の年齢は、シワやシミ、深く刻まれたほうれい線などの肌状態に影響を受けます。花王は、ほおのたるみを手で持ち上げると、ほうれい線が目立たなくなることに着目し、たるみを物理的に持ち上げることで、ほうれい線を目立たなくするメイクアップ技術の開発に取り組みました。

特定の疎水性ポリマーを含む液体は、乾燥すると収縮して膜をつくる性質があります。その収縮する力を利用してほおのたるみを持ち上げることを検討しました。
まず、たるみを持ち上げるために必要な力を調べ、その力に相当する塗膜の乾燥時の収縮率を算出しました。収縮性に加え、製剤が乾燥した時に塗膜が割れないために、適度な柔軟性を有するポリマーのスクリーニングを行いました。その結果、ある特定の疎水性ポリマーが、収縮性と柔軟性、両方の特性を持つユニークな素材であることを見いだしました。

女性12名を対象に、本ポリマーを含むモデル処方をほおとほうれい線下部に塗布した結果、12名中11名において、ほうれい線の目立ちが改善されました。
顔の3D画像の結果からは、塗布後のほうれい線の深さが平均で約1mm浅くなっていたことが確認できました(図1)。
本技術をメイクアップ製品の開発に応用し、ほうれい線を目立たなくすることで、少しでも若々しく見せたいという人々の思いに応えていきます。

モデル処方の塗布前と塗布後の3D画像の比較。塗布前は、ほうれい線が目立ち、塗布後はほうれい線が目立ち難い。

図1 塗布前と塗布後の比較(著効例)

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