キレイが続くメイクアップの持続技術

メイクアップ

ベースメイク(化粧下地、ファンデーションなど)やポイントメイク(アイシャドウ、口紅など)は、キレイに仕上がるだけではなく、その状態を1日中キープすることが望まれます。

ベースメイクをキレイな状態で維持するためには、化粧くずれの主な原因となる汗や皮脂に強い化粧塗膜の形成が重要です。
花王では、皮脂を選択的に固化する皮脂固化粉体(図1)や、柔軟な被膜を形成する独自の被膜剤を活用し、テカらない、くずれないベースメイクの開発を行っています。また、ベースメイク塗膜内部の成分解析法(図2)や、AIを用いた化粧くずれの評価法を開発し、テカリやくずれの状態を可視化して、持続技術の向上に役立てています。

皮脂固化粉体配合ベースメイク品(液状)に人工皮脂を添加すると固化しますが、皮脂固化粉体未配合ベースメイク品(液状)に人工皮脂を添加しても、固化しません。

図1 皮脂固化粉体の効果

ラマン分光法を用いてベースメイク塗膜内部の成分分析を行うと、水平方向の断面図や垂直方向の断面図が観察できます。

図2 ラマン分光を用いたベースメイク塗膜内部の成分解析

口紅においては、会話・飲食・マスクなどによる物理接触がくずれの原因となるため、唇と口紅が密着していることが重要です。
花王では、独自のゲル化剤を活用し、口紅塗布後に口紅が水分でゲル化して、唇と口紅が密着する持続口紅を開発しました(図3)。また、唇をこすり合わせた時に唇の方向に応力が働く(法線応力が発現する)独自のポリマー(図4)*1 を活かし、厚みやうるおいを感じる持続口紅の開発も行っています。

独自のゲル化剤を配合した口紅を塗布し、食後の状態を確認すると、色が残っていることがわかります。

図3 独自のゲル化剤を配合した口紅の持続評価例

レオメーターを用いて法線応力ポリマーのレオロジーを測定すると、法線応力(N1)の発現が確認できます。

図4 法線応力ポリマーのレオロジー特性

今後も、世界中の方々に美と笑顔を提供できるように、メイクアップ製品の開発に取り組んでいきます。

  • * 1 Tamura, E., Ohsaki, K., Kuwahara, K., Nanbu, H., & Nabata, Y. (2016). Texture Control of the Lipstick Film Using Rheological Technique and Commercialization of Liquid Rouge. Nihon Reoroji Gakkaishi, 44(5), 231-236.
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