メイクアップによる顔印象変化~メイクアップにおける錯視効果の応用

視覚心理学

メイクアップには顔印象を魅力的に変化させる力があり、心理学の視点からも盛んに研究されています。
こうした研究は、メイクアップ製品の開発指針を得ることや、魅力的な印象に変化させる効果をお客さまに分かりやすく実感していただくことにつながります。

顔印象変化の大きな要因ひとつに“錯視”(視覚に関する錯覚)があります。私たちはアイメイクにより生じる錯視効果について調査を行いました。
マスカラやアイラッシュカーラーでまつ毛を上げると、瞳に光が多く入り込むようになり、瞳の輝き感が大きくなります(図1)。

まつ毛を上げることによる効果。まつ毛を上げることにより瞳に光が多く入り込み、瞳が輝いて見える。

図1 まつ毛を上げることによる効果

その効果は目元の印象に留まらず、肌のツヤと明るさ、顔の立体感と彫りの深さが増して見えるという、顔全体に及ぶ錯視が起こることがわかりました(図2)。

図2:瞳の輝きによる印象変化。瞳の輝きが高まると、顔の印象として「肌が明るい」、「立体感がある」、「ツヤがある」、「彫りが深い」いずれの評価も高くなっている。

図2 瞳の輝きによる印象変化

ブラック、ネイビーなどの暗い色のアイライナーを施すと、白目が明るく見える錯視が起こることも明らかにしました(図3)。

図3:白目が明るく見える効果。ブラックのアイライナーを施すことにより、白目が明るく見える。

図3 白目が明るく見える効果

アイライナーによる錯視効果で、白目が明るく見え、顔の印象がより健康的、魅力的になります。
アイメイクは目を大きく、美しく見せるだけでなく、肌や顔立ちまでも魅力的に変化させることができるのです。現在はアイメイクに留まらず、さまざまなメイクによる印象変化についても検討を進めています。
今後も、お客さまによりメイクアップを楽しんでいただけるよう、メカニズムの解明と魅力的な製品の開発に取り組んでいきます。

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