両親媒性ポリマーネットワークゲルのリキッドファンデーションへの応用

高分子化学

ファンデーションは、肌の色ムラを隠し、美しい肌をつくり出すための、毎日のメイクには欠かせないアイテムです。
しかし、肌の色ムラをカバーしようとして塗れば塗るほど、素肌の質感からは遠ざかり、不自然な仕上がりになってしまいます。そのため、十分なカバー力と自然なツヤ、白浮きしない仕上がりを同時に手に入れるのはこれまで困難でした。

花王はこの長年の課題に対し、油、水、そして肌のすべてに親和性が高いという特長を有する独自素材の両親媒性ポリマーを応用し、肌本来の色や質感を最大限いかしたまま美しくカバーできるリキッドファンデーションを開発しました。
カラーオイル(粉体顔料を油剤中に高分散させたもの)を包み込んだ、両親媒性ポリマーネットワークゲルが肌に均一に密着し、なめらかで潤ったようなツヤと鮮やかな発色を実現します。

ファンデーション塗膜表面の電子顕微鏡画像と仕上がりのイメージ図  新技術はなめらかな塗膜表面を持ち、カバーしながら自然な仕上がり。従来技術は塗膜表面から顔料が露出し、カバーしているが不自然な仕上がり。

この技術によって、従来のファンデーションでは達成できなかった、白浮きのない自然なカバーと、肌が本来持ついきいきとしたツヤをもたらし、ファンデーションを塗ったことを忘れるほどに自然で美しい仕上がりを実現しました*1

今後も、多くのお客様をより美しく輝かせる商品開発を進めていきます。

  • * 1 Tochioka, S.(2023). Development of a W/O Foundation with Amphiphilic Polymer Networks Achieving Both Coverage and Naturalness. J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn, 57(3), 242-250.
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