ヘアケア
トリートメントなどでしっかりケアをしたのに、髪がパサついていると感じたことはありませんか。うるおいを感じる髪は、髪1本1本がきれいに並び、指表面との接触面が大きく、熱移動が大きいため、手で触ったときに冷たく感じます。ケア成分を過剰に含ませるのではなく、毛流れがそろった状態、いわば髪のキメがそろった状態をつくることが重要です。
花王は、実態調査と毛揃いに関する実験から、髪を洗う時に手では解ききれない無数の絡まりが発生し、その絡みが乾燥後まで残って毛揃いを阻害していることに着目しました。髪のキメをそろえるためには、洗髪中の絡まりを除去する必要があります。
洗髪中に絡まりが生じてしまう原因を探索したところ、水中で髪と髪のあいだに働く強い付着力が、毛髪間の摩擦を生じていることがわかりました。数々の物質について検討を重ねた結果、髪への吸着性と水溶性を兼ね備えるBIPAポリマー(ビスイソブチルPEG-14/アモジメチコン コポリマー)を用いると、ぬれた状態の髪と髪の摩擦を大きく低下できることを見いだしました。BIPAで処理することで、洗髪から乾燥までに生じる髪の絡まりを大幅に低減でき、洗うだけで自発的にそろう髪を実現しました。
花王は本技術以外にも、美髪を提供するためにさまざまな研究を行っています。これからもお客さまが自分の髪に自信を持てるような製品開発に取り組んでいきます。
図1. 毛流れ(=髪のキメ)の重要性
図2. 自発毛揃い制御技術
次の動画には音声がありません。動画の映像情報を書き起こしたテキストを用意しています。
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この動画は、長さ20cm程度の2つの髪の毛の束を、それぞれ水とBIPA水溶液が入ったビーカーに入れて、引き上げた後の櫛通りの良さを比較したものです。水から引き揚げた髪の毛の束では、櫛はすぐに引っかかってしまい毛先まで梳かせません。一方、BIPA水溶液から引き揚げた髪の毛の束では、櫛が毛先までスムースに移動し、梳かしきることができることがわかります。