洗剤の清潔・衛生技術の飽くなき追究

ファブリックケア

バイオフィルムとは、菌が分泌した多糖やタンパク質を含む菌体外マトリクス(Extracellular Polymeric Substances:以下 EPS)と菌の複合体です(図1)。

共焦点レーザー顕微鏡観察、繊維上のバイオフィルム画像、青:EPS(多糖)、緑・赤:染色した菌、白:繊維、バイオフィルムは菌が分泌した多糖やタンパク質等からなるEPSすなわち菌体外マトリクスが菌を取り囲んだ複合体。

図1

バイオフィルムは、タオルなどの繊維にも存在し、抗菌洗剤や除菌洗剤で洗っても落ちない「ニオイ」や「くすみ」に関係していることがわかっています。通常のお洗たくや漂白剤、また煮沸のように加熱しても、バイオフィルムを落とすことは困難です。
花王はこれまでにバイオフィルムを抑制・除去するさまざまな技術を開発してきましたが、落とし切れずに蓄積して肥大化したバイオフィルムを除去することは容易ではありませんでした。

花王はバイオフィルム中のEPSの構造に着目し、独自に開発した陰イオン界面活性剤のバイオIOS®と、特定の界面活性剤を組み合わせることにより、EPSを除去する洗浄技術を開発しました。この新しい洗浄システムはEPSの構造を緩め、バイオフィルム内部へ界面活性剤が浸透して根本洗浄することで、従来よりも除去性能が大幅に向上します。

バイオフィルム除去技術を応用することにより、これまで洗っても落ちなかった「ニオイ」や「くすみ」への高い効果を感じていただけます。花王は、今後もお洗たくに対する悩みを解決し、未来の快適な暮らしに貢献していきます。

実使用衣類に対するバイオフィルム除去効果、未洗浄、従来処方、新技術導入処方の比較、緑は染色した菌、青はEPS(多糖)、白は繊維、未洗浄と従来処方は同等、新技術導入処方は菌、EPS共に減っている。

Page Top