におい見える化 セントアイ技術

解析技術

悪臭は人を不快にし、よい香りは人にやすらぎを与えます。においのある物質は数十万種類あると言われ、極めて微量でもにおいを感じる成分もあります。このことから、微量のにおい成分を網羅的、かつ客観的に分析・評価する必要があります。
花王は、対象物の部位ごとのにおいの捕集法、濃縮・分析法、およびデータ解析法などを新たに開発し、 ScentEYE(セントアイ)技術を構築しました。この技術により、におい成分の種類と量を正確に可視化することが可能となりました。

足臭について解析したところ、悪臭成分であるイソ吉草酸が、前日夜の入浴後と翌日朝の通勤後では大きな差がないのに対し、1日就業したあとでは顕著に増加していました。イソ吉草酸が多く存在する部位があることもわかりました(図1)。

足の悪臭成分であるイソ吉草酸をセントアイで解析すると、前日夜の入浴後と翌日朝の通勤後で変化がなかったのに対して、1日就業後では顕著に親指の付け根の部分が増加していることが可視化できた。

図1 足の裏のにおい

また、一般家庭から回収したタオルを洗たくし、実験室で部屋干ししたタオルでは、バイオフィルム(菌のかたまり)が蓄積しているところほど同成分が多く残っていることがわかりました(図2)。

セントアイ技術によって可視化されたタオルの悪臭成分とバイオフィルムの分布。一般家庭から回収したタオルを洗たくし、実験室で部屋干ししたタオルでは、バイオフィルム(菌のかたまり)の分布と悪臭成分の分布がほぼ同じ位置であった。

図2 セントアイ技術によって可視化されたタオルの悪臭成分とバイオフィルムの分布

セントアイ技術により、極めて微量のにおい成分が、どのタイミングでどの場所からどのくらいの量、揮発しているかといった情報を正確に知ることが可能となります。今後も悪臭発生の本質解明を行い、その課題を解決する技術の開発を進めていきます。

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