高品質/高機能を実現する分子構造解析技術

解析技術

原料に含まれるppb~ppmレベルの微量成分が、製品の品質に影響を及ぼしたり、突出した機能の発現に関与したりすることがあります。そのため、原料の適時・適切な選定や製造技術の最適化には、それらの精密な分子構造解析が不可欠です。
一般的に微量成分の分子構造は、煩雑な分離/精製過程を経て単離したのち、NMRや質量分析計 (MS) などを用いて解析されます。しかし、未知成分の精密な分子構造解析は非常に難易度が高く、解析に長期間を要することもあります。

花王では、ガスクロマトグラフ-質量分析計 (GC-MS) や液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計 (LC-MS/MS) のスペクトルデータを活用した、高精度かつ効率的な分子構造解析システムの開発に取り組んでいます。これまでに、世界中に存在する情報と社内で取得した情報を融合したデータベースを作成しました。さらに、自然言語処理を応用した独自の検索アルゴリズムや機械学習を導入することで、解析対象と類似した化合物の検索や部分構造の解析を自動で行う技術を開発しました。

現在は、マススペクトルから自動的に分子構造を解析できる技術の開発をめざしています。さらに、大学との共同研究で導入を進めている最先端分子構造解析技術も組み合わせることで、広範な分子の構造をより精密に解析できる技術の構築に挑戦しています 。

製品・原料中の微量成分解析技術の概念図。原料中の品質や機能に関わる微量成分の分子構造を解析するために、社内外のデータを有効活用し、自然言語処理や機械学習を用いたマススペクトルの検索および解析技術を開発した。本技術によって得られる類似構造や部分構造の情報から、解析した分子構造の情報を活用することで、高品質/高機能な製品開発に貢献する。

分子構造解析技術

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