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2021年12月02日

新型コロナウイルス対応の医療用防護服を
使用済みペットボトルから製造するプロジェクトをタイで開始

花王インダストリアル(タイランド)、花王コンシューマープロダクツ(東南アジア)、カネボウ化粧品(タイランド)の3社は、アップサイクルの専門技術を持つ大手石油化学メーカーPTTグローバルケミカル(GC)が提供する廃棄物管理プラットフォームYOUTURNと共同で、使用済みペットボトルをアップサイクルし、新型コロナウイルス感染症に対応する医療チームの個人用防護服(PPEスーツ)を製造するプロジェクトを立ち上げました。

タイでは先日、新型コロナウイルスの流行がピークを迎え、感染者は2021年8月13日に23,418人、死者数は8月18日に312人という最多レベルに達しました。その後は若干の減少傾向にあるものの、未だ高い数値で推移しています。このような状況により、2020年から最前線で活動してきた医療チームは大きな影響を受けています。医療チームは、ウイルスの拡大をくい止め、クラスターの発生を防ぐためのPCR検査の実施や、積極的に症例を確認する役割を担っています。なかには救急病院や一般病院で感染者の治療に携わる一方、ICUで人工呼吸器を装着した重症患者を重点的にケアしているチームもあり、感染者と頻繁に接する医療チームは常に高い感染リスクに晒されています。医療チームのメンバーの感染率も高くなっているため、日々の業務における完全な自己防護のためには、大量の防護服が必要な状況です。

感染率が高い時期には防護服が不足することもあり、また価格も比較的高額でした。コロナ禍で生じたこのような状況を受け、花王グループ中期経営計画「K25」のビジョンである「豊かな持続的社会への道を歩む」、そしてその軸となる「命を守る」という考え方から着想を得て、今回の共同プロジェクトが発足しました。このプロジェクトには花王インダストリアル(タイランド)の本社、工場、流通センターおよびバンコク営業所、花王コンシューマープロダクツ(東南アジア)、カネボウ化粧品(タイランド)の社員が参加します。「命を守る」ことに加え、使用済みペットボトルを利用したサーキュラーエコノミーを実現することによって持続可能な環境の構築に貢献することを目標としています。

プロジェクト推進にあたり、花王はタイにおいて、アップサイクルの技術やノウハウがないという課題がありました。しかしアップサイクルの専門技術を持ったGCに、花王の企業理念や使命、ビジョンを伝え、今回の共同の社会貢献プロジェクトへの参加を依頼し、連携することができました。GCは提携パートナーとともに廃棄物管理プラットフォームYOUTURNを立ち上げた大手石油化学メーカーです。花王は収集所を6カ所設置して、使用済みペットボトルの回収に協力。GCとそのパートナー企業が収集所から自社工場に運搬し、アップサイクルします。医師や医療従事者が使用する「レベル2」の防護服用のプラスチック繊維を使用済みペットボトルから製造するためには、既存の工程に調整を加える必要がありました。

またGCはサーキュラーエコノミーの促進に向け、YOUTURNプラットフォームを通じて使用済みペットボトルを回収し、製品のライフサイクル全体を通じて廃棄物を管理している企業にも協力を依頼しました。それにより、バンコクやその周辺地域の収集所から回収した使用済みペットボトルも、アップサイクルされて「レベル2」防護服の製造に使用することができました。

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このプロジェクトでは、使用済みペットボトルから合計500着の防護服を製造することを目標としています。そのため、花王の6カ所の収集所から、2021年9月27日から12月15日までに合計9,000本のペットボトルを集めることを目指しています。製造した防護服は、2022年前半にパートナー企業の代表者とともに花王3社の社長から各医療チームに寄贈する予定です。このプロジェクトの実現は、社会にとって有益であると同時に、タイにおけるプラスチック汚染を低減し、バージンプラスチックの消費を約144kg削減することにも貢献します。

プラスチックごみの削減を通じて社会に貢献するというこの取り組みで、花王のビジョン「豊かな持続的社会への道を歩む」の実現に向けて貢献していきたいと考えています。

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  • * この情報は、2021年11月5日に花王(タイランド)で公表されたニュースリリースを翻訳したものです。
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