バイオ界面 抗菌メカニズム

解析科学

微生物の制御は、安全・安心、衛生的な暮らしを支える重要な技術です。界面活性剤は抗菌作用を示す剤のひとつですが、微生物に対してどのように作用して効果を発現するのか、原子・分子スケールのメカニズムは不明な点が多く残されています。
花王では、幅広い細菌の抗菌に有効な塩化ベンザルコニウムなどの作用について明らかとするため、ドイツ ハイデルベルク大学との共同研究を実施。X線反射率(XRR)および斜入射角X線蛍光(GIXF)を同時に測定できる欧州放射光施設(ESRF)において、グラム陰性菌表層のモデル膜(リポ多糖膜)に対する剤の作用をÅスケールで解析しました。その結果、界面活性剤や芳香族アルコールなどの作用によって、リポ多糖膜の安定化に寄与するカルシウムイオンに影響を与えることを見出しました*1 。これが細菌表層の構造破壊につながると考えられます。
こうした抗菌作用メカニズムを原子・分子スケールでとらえた事例は世界的にもまだ少なく、先駆的な発見です。花王では、このような先端の基盤研究で得られた知見をもとに、より少量の剤で抗菌作用を発現させる技術開発など、ヒトや環境に優しい技術開発に取り組んでいます。

  • * 1 Scientific Reports, 10, 12302, 2020

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