脳科学的手法を用いた感性科学研究

人間科学

生活のさまざまな場面でわきあがる感情や情動は、視覚や触覚、嗅覚など複数の感覚を通じて感じ取る周囲の状況や、その時の自分自身の状態、過去の経験などに影響を受けて生じます。しかし、その時の気持ちや感じた印象を言葉で表現できることは、むしろ少ないのではないでしょうか。花王は、人の内面を深く理解し、心に響く製品やサービスをお届けしたいと考え、アンケートやインタビュー等の聞き取り調査、心理学的・生理学的計測を用いて感性研究を進めていますが、人の細やかな感性を捉えるのは大変困難です。
そこで、外界の感覚情報を受けとめ、それによる心のあり方を知り、からだの反応や行動に至る過程を明らかにするひとつの手段として、脳科学的手法を取り入れています。MRI(磁気共鳴画像法)をはじめとする脳活動計測装置を導入。聞き取り調査や心理学的、生理学的なデータと脳活動データとを組み合わせることで、意識できないような微細な心のありようを探索しています。
たとえば、複数の感覚が組み合わさった時の感じ方、印象を変化させるメカニズムの理解、触覚の心地よさを脳活動から数値化する方法を用いて、より使い心地のよいスキンケア製品をつくるという研究も行なっています。
これからも、脳科学的手法を活用した感性研究を通じて、心豊かに使用していただける製品やサービスの開発に貢献していきます。

  • * 手の平で顔全体を優しく包み込むように覆う行為(ハンドプレス)をしたとき、「心地よかった」と答えた人ほど、快の情動や認知を担う脳の前頭前野の血流変化量が大きかったことを、実験により確認しました。

    2018年10月12日 花王ニュースリリース https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2018/20181012-001/
    「スキンケア時に肌に触れることで得られる“心地よさ”と脳の血流変化量との関連を確認」

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