悪臭発生メカニズム解析と消臭技術開発

香り・悪臭制御

悪臭は快適な日常生活を送るうえで支障があるだけでなく、人と人との関係にも悪影響をもたらすことがあります。悪臭を解決して心地よい暮らしを提案するために、花王では、原因物質の特定、発生するメカニズムの探索、解決方法などを研究しています。

花王はこれまでに、衣類の汗臭や尿臭の解析を行なってきました。汗や尿はそのものが臭いのではありません。汗や衣類に付着する汚れ、尿に含まれるニオイの元となる物質を菌が分解して悪臭をつくり出します。
たとえば、衣類の汗臭は、汗や衣類に付着した汚れ成分を特定の菌が分解することで生成される、複数の短~中鎖脂肪酸のニオイであることを見出しました。このような微生物に関する研究と洗剤の開発を共同で進めることで、汗臭を生み出す菌の制御技術を新たに開発し、衣料用洗剤に応用しています。
尿も、体外に排出された直後はあまり臭くありません。尿臭の原因物質であるフェノール化合物(p-クレゾールなど)は、糖と結合した状態で体外に排出された後に、菌によって分解されて臭くなっていきます。また、菌が死滅しても、ニオイの元となる物質を分解する酵素が残り、尿臭が発生し続けることもわかりました。そこで、尿臭対策として、尿臭ブロッカーという酵素の働きを妨げる成分を探索し、介護家庭向けの衣料用洗剤やトイレ用洗剤・掃除シートなどに応用しています。
このように、悪臭原因物質と悪臭発生メカニズムを知る研究は、さまざまなアプローチによる効果的な消臭技術の開発につながっています。

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