監査役は、株主の負託を受けた独立した立場で、取締役・執行役員の職務執行状況を監査することにより、当社及び当社グループが健全で持続的な成長とステークホルダーからの信頼に応えるガバナンスを確立するために監査活動を行っています。監査役会の取り組みに関して、2024年度の活動を具体的に説明することにより、監査の透明性と、ステークホルダーとの対話の実効性を高めてまいります。
花王グループはROICの全社導入を進め、構造改革を断行し、「グローバル・シャープトップ」事業を擁立する企業をめざしています。経営が認識する改革の必要性と危機感を共有した上で、K27戦略のフレームワークの実行状況・経営環境リスクの対応状況を監査するとともに、ESG活動をはじめ、社会やステークホルダーからの要請や視点を意識した監査役活動を行うことを方針としました。
監査役は、株主の負託を受けた独立した立場で、取締役・執行役員の職務執行状況を監査することにより、当社及び当社グループが健全で持続的な成長とステークホルダーからの信頼に応えるガバナンスを確立するために監査活動を行っています。監査役会の取り組みに関して、2024年度の活動を具体的に説明することにより、監査の透明性と、ステークホルダーとの対話の実効性を高めてまいります。
監査役は、取締役・執行役員の職務執行状況の監査を実施する中で、取締役会や経営会議等の重要会議における、意思決定プロセスや決議への意見表明や、役員との意見交換会での忌憚のない議論等、活発な意見交換を重視しています。
監査役は、各部門及びグループ会社への直接往査・ヒアリングによる対話を通して、経営戦略の浸透の度合い、主体的な取り組みや課題、経営への要望や意見等を理解することを大切にしています。さらに、この内容を役員に適宜共有しています。
また、往査・ヒアリング終了後、監査役のコメントを指導事項・要請事項に加え、アドバイス・優れた取り組みに分けて共有し、各部門が取り組みに生かしていくという、PDCAを回すことで監査の実効性向上をめざしています。往査・ヒアリングの約8割には、社外監査役も1名以上参加しています。
マレーシア(ペナン)花王ケミカル工場の往査・ヒアリング
監査役会は、監査役5名(常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成され、社内の豊富な執行経験と多様な知見を持つ常勤監査役と、指導的な経験や高い専門性、見識を有する社外監査役が、監査に関連する情報を適時共有し、さまざまな視点から審議を行っています。また、監査役会の直下に監査役室を設置し、監査役の職務の補助とともに、室員が子会社の監査役を兼務する体制を取っています。
監査役につきましては、こちらをご覧ください。
監査役会の議題にとどまらず、監査役のスキルや監査役が懸念する経営課題等について、フリーディスカッション形式で適宜意見交換を行っています。
重点 監査 項目 |
監査方法及び取り組み | 活動実績及び実効性評価 | 監査分担 | |
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常勤 | 社外 | |||
取締役・執行役員の職務の執行状況 | 取締役会に出席して審議・決議状況を確認、必要な場合は意見を述べる | 各監査役が100%出席。積極的に意見を述べた | 〇 | 〇 |
経営会議等重要会議に出席して意思決定プロセスを確認、 | 必要に応じて説明を求め適時意見を述べる100%出席。意思決定プロセスを確認、検討すべき事項について意見を述べた | 〇 | - | |
役員との意見交換 | 花王:代表取締役(3回)、社外取締役(2回)、役付執行役員(4回) 重要子会社:代表取締役(2回)
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〇 | 〇 | |
各事業場・各部門・国内外の子会社・関連会社への往査及びヒアリング | (往査・ヒアリング時に、内部統制等の重点監査項目も確認)113回
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〇 | 随時 | |
選任審査委員会、報酬諮問委員会 | 6回 | - | 〇 | |
グループガバナンスの実効性 |
|
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〇 | 随時 |
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意見交換(12回)、取締役会での報告(2回)
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〇 | 〇 | |
三様監査(監査役/会計監査人/経営監査室)の連携強化 | 三様監査会議(3回)、監査計画や重点課題を共有
|
〇 | - | |
内部統制の整備並びに運用状況 |
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四半期又は半期ごとに実施
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〇 | 随時 |
内部監査部門である経営監査室との連携 |
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〇 | 随時 | |
内部統制システムの構築と運用状況のチェックリストによる評価 | 概ね有効 | 〇 | - | |
情報開示 | 情報開示に関する社会・ステークホルダーからの要請状況を調査し、 | 当社の開示状況や外部評価結果を確認
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〇 | 随時 |
毎年、重点監査項目を中心に評価項目を設定し、多角的・客観的な視点から実効性評価を行います。2024年度は、各監査役による自己評価のみならず、代表取締役、社外取締役及びその他関係者から収集した意見をまとめ、監査役会で幅広く議論した結果、全体として「有効に機能している」という評価に至りました。
2023年度に抽出された、事業別ROICについては、現場の往査・ヒアリングを通して、事業・販売・生産・研究等の各組織で事業別ROIC活用の浸透度を確認し、取締役に共有しました。また、三様監査(監査役/会計監査人/経営監査室)の連携をさらに強化するために三様監査会議を開始し、各々の監査計画や重点課題を共有しました。中長期課題である非財務情報開示について意見交換を行いました。
2024年度は、K27戦略のフレームワークや構造改革の実行状況について、資本効率/収益性の改善への取り組みを確認し、現場往査を通して具体的な成果も検証できました。なお、化粧品事業の成長戦略を含む「グローバル・シャープトップ」事業の構築について、今後も確認していきます。さらに、グループガバナンスについて、国内では、監査役室員がグループ会社の監査役を兼務する体制、及びグループ監査役意見交換会を通して発見事項の共有が促進され、各監査活動の実効性が向上しました。海外では、本社統括部門による横ぐしの海外ガバナンスの体制を継続的に検証していきます。
実効性評価で抽出した課題は、実効性をより高めるために、2025年度の監査活動や重点監査項目に反映させます。
監査役会実効性評価の概要は、以下のリンクをご覧ください。