参考資料: 2021年05月24日

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「大丸有エリアにおける動静脈一体物流による効率的なプラスチック循環に向けた実証事業」に参画

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、2021年5月より、「大丸有エリア*1 における動静脈一体物流*2 による効率的なプラスチック循環に向けた実証事業」に参画します。花王は、本プロジェクトにて回収したプラスチックの物性評価を行ない、日用品包装容器への活用を検討していきます。

  • * 1 東京都の大手町、丸の内、有楽町エリア
  • * 2 生産者から消費者に向かう「動脈」、消費者から生産者に向かう「静脈」の物流の流れ

現在、商業施設やオフィスビルなどから排出されるプラスチック廃棄物の多くは、マテリアルリサイクル*3 ではなく、サーマルリサイクル*4 されています。一方昨今では、海洋プラスチック問題のように使用後に適正に回収・再利用されてない「プラスチックごみ」が社会課題となっており、将来的には、プラスチック廃棄物のリサイクルを広く行ない、プラスチック循環システムを構築することが求められています。システムを構築する実現の手段のひとつに、一度市場に出た資源(ポストコンシューマーリサイクル材<PCR材>)を原材料として再活用することが挙げられますが、PCR材の組成はさまざまで、発生量が一様でないため、各拠点での排出量が不明瞭で品質が安定せず、回収コストも高くなる点が課題となっています。企業が原材料としてPCR材を継続的に活用していくためには、トレーサビリティを担保したうえで、これらの課題を解決する必要があります。

  • * 3 使用済みの資源を、新しい製品の原料として再利用すること
  • * 4 廃棄物を焼却する際に生じるエネルギーを回収、利用すること

今回のプロジェクトでは、東京都の「再生利用指定制度」*5 によって、動静脈一体物流を実現し、廃棄物の回収・圧縮保管・リペレット・製品化までの一連のプロセスを通して、プラスチック資源循環の課題の抽出と、ライフサイクル全体での環境負荷・コストの評価を行なっていきます。

  • * 5 再生利用されることが確実である産業廃棄物のみの処理を業として営んでいる事業者を都道府県知事が指定することで、産業廃棄物処理業の許可を不要とし、産業廃棄物の再生利用を容易に行えるようにするための制度

花王は昨年から、環境省の「令和2年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業)」において「サーキュラーエコノミー都市実現に向けた低炭素型マテリアルリサイクルモデル構築調査事業」の補助事業者に採択された川崎市で、今回のプロジェクトと同様に、商業施設から回収されたPCR材のリサイクルに他企業と連携して取り組んでいます。
今回のプロジェクトや川崎市との取り組みなどを通じ、花王はプラスチックに関する研究技術を提供することによって、自治体・他企業と連携してプラスチック循環社会実現に貢献していきます。

『大丸有エリアにおける動静脈一体物流による効率的なプラスチック循環に向けた実証事業』概要

■事業内容
丸の内ビルディング、新丸の内ビルディングのアパレルテナントから排出されるプラスチック製フィルムを、納品業者が納品時の帰り便で回収します。回収した廃プラスチックは圧縮保管後、粉砕・溶融して原材料化し、リサイクルする「リペレット」を行います。得られた再生ペレットで日用品の包装容器での活用に向けて、物性評価・用途開発を行ないます。廃棄物の回収・圧縮保管・リペレット・製品化を通し、プラスチック資源循環の課題の抽出と、ライフサイクル全体での環境負荷の評価を行います。

■実施場所
丸の内ビルディング・新丸の内ビルディング

■対象物
丸の内ビルディング・新丸の内ビルディングの主にアパレルテナントから排出されるプラスチック製フィルム

■期間
2021年6月1日~2ヶ月程度(予定)

■各参加企業・団体の役割

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三菱地所株式会社
廃プラスチックの分別・提供
東京納品代行株式会社(センコーグループ)
廃プラスチックの回収・運搬
センコー商事株式会社
回収した廃プラスチックの圧縮・保管
株式会社エンビプロ・ホールディングス
廃プラスチックのリペレット
花王株式会社
廃プラスチックペレットの物性評価を行ない、日用品包装容器への活用を検討
双日株式会社・レコテック株式会社・日商エレクトロニクス株式会社・NTTコミュニケーションズ株式会社
再生資源のプラットフォームである「Material Pool System」を基盤に、プラスチック循環システム構築に必要なプラットフォームとしての課題抽出を実施
東京大学 大学院工学系研究科 村上研究室・有限責任監査法人トーマツ
「再生利用指定」の動静脈一体物流による、廃プラスチックの収集・運搬プロセスの環境負荷・コストの評価

  • * 新型コロナウイルス感染拡大状況によっては、実証期間などの実施内容が変更となる可能性があります

花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」とプラスチック循環社会に向けた取り組み

花王グループは、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。2019年4月にはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。花王グループがこれまでの企業活動の中で培ってきた「よきモノづくり」の思想を「ESG視点でのよきモノづくり」へと高め、環境や社会に配慮した取り組みを強化しています。

社会的課題のひとつであるプラスチックごみ問題に対しては、2018年に公表した「私たちのプラスチック包装容器宣言」において、リデュース(減らす)、リプレイス(置き換える)、リユース(再利用する)、リサイクル(再資源化する)の4Rの観点から、包装容器に使用されるプラスチック資源の削減に努めていくことを提示。包装容器の薄肉化、製品の大容量化、内容物の濃縮化、つめかえ用の包装容器で使われている薄いフィルム素材を本品容器として使うことで、プラスチック使用量を大幅に削減する「プラスチックボトルレス化」などの「リデュース」、つめかえ・つけかえの促進による「リユース」、リサイクルしやすい包装容器を開発する「リサイクル」に加え、石油由来のプラスチックから持続可能な原料へ転換を図る「リプレイス」を推進しています。2019年9月には、「リデュースイノベーション」「リサイクルイノベーション」に基づくさまざまなアプローチを通じて、プラスチック循環社会の実現をめざすことを発表しています。

花王グループは、今後も、花王らしいESG活動をグローバルに展開し、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでまいります。

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※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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