発表資料: 2022年10月04日

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花王、プレシジョン・モニタリングをはじめて実用化
皮脂RNAモニタリングを活用した肌解析サービスを導入

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、健康課題に対し、その原因を精確に同定し(プレシジョン・モニタリング)、さまざまな角度から的確なソリューション提案を行なう「プレシジョン・ライフケア」構想を進めています。今般化粧品分野において、このプレシジョン・モニタリングを具現化。核となる皮脂RNAモニタリング技術*1 を活用し、今の肌の状態を精緻に把握するサービス「Skin Potential Analysis(スキンポテンシャルアナリシス)」として、2022年11月よりお客さまへの提供を開始します。これにより、個人が今の自分の状態を知り、必要なケアを的確に見つけることができる提案をめざしていきます。

背景

人生100年時代と言われる中、病気にならないだけでなく、より健康的により快適に人生を過ごせることが重視されています。そのための健康や肌に関する情報は簡単に入手できる時代ですが、だからこそ、多くの選択肢の中で自分の状態が今どうであり、めざす姿にとって何が最も必要なのかを見極められる眼力も試されていると言えます。花王は、このような時代背景を受け、中期経営計画「K25」で重視する方向性として、「プレシジョン・ヘルスケア」を掲げ、個人の今の状態を精確に同定することの重要性を提案しています。
これはビューティ領域においても同様で、自分の肌を最もよく知ることが的確なケアへの近道であるといえます。そこで今般、花王初となるプレシジョン・モニタリングを実装化し、「スキンポテンシャルアナリシス」としてお客さまに提供していきます。

「スキンポテンシャルアナリシス」を叶える花王の技術

花王は、あぶら取りフィルムで顔の皮脂を採取し、そこからRNAを抽出して網羅的に解析する「皮脂RNAモニタリング」技術を構築しています。これまでの研究により、約1万種におよぶ皮脂RNAの発現情報は、乳幼児アトピー性皮膚炎やパーキンソン病といった疾患の早期見極めに役立つ可能性があることを見いだしてきました。またこれまで把握が難しかった肌性状や肌悩みの内部要因や体内要因の予測が、遺伝子レベルで把握できることも報告しています。
さらに、肌の最外層にあり、肌の美しさを担う角層機能を高精度に解析する研究もすすめています。角層を構成する全ての物質を分子レベルで取得し、そのデータを多変量解析することで、角層本来の機能を予測する技術(コルネオスペクトル解析)を確立しました。

図1 プレシジョン・モニタリング「スキンポテンシャルアナリシス」を叶える技術

「スキンポテンシャルアナリシス」で把握できる項目

「スキンポテンシャルアナリシス」は、皮脂RNAと角層の2つの生体試料をもとに、今肌に起きていることを精緻に把握することをめざす、花王史上最高レベルの肌解析サービスです。具体的には、美しい肌にとって重要である肌のバリア機能、紫外線に対する感受性、糖化の状態などを12の指標(図2)で解析し、各年代の平均に照らして今の自分の状態として結果を表示します。

図2 「スキンポテンシャルアナリシス」項目

「スキンポテンシャルアナリシス」のメリット

「スキンポテンシャルアナリシス」の最大の特徴は、見た目ではわからない皮膚内部の情報を豊富に含む生体試料を利用することです。たとえば今現在肌が乾燥しているという現象は同じであっても、原因が違えば最適なアプローチは異なるケースがあります。皮脂RNAの発現情報は、状態を確認するだけでなく、肌が乾燥するその人固有の原因を推測することが可能となります。
また、このサービスにおいては、自分自身で適切な方法で皮脂RNAと角層を採取すれば、近隣に店舗やアドバイザーがいないような条件でも、精緻な肌状態を知ることができるようになります。

花王は、プレシジョン・モニタリングの実装により、お客さま一人ひとりが自分の肌状態を知り、自分にとって的確なケアを見つけることをサポートしていきます。

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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