発表資料: 2020年04月01日

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日本人女性における加齢に伴う口もとの形状変化を確認
~唇は薄く、鼻の下は長くなり丸みを帯びる~

花王株式会社(社長・澤田道隆)メイクアップ研究所は、日本人女性における口もと形状の加齢変化について検討し、年齢を重ねるにしたがって、日常的に唇とよんでいる赤唇部が薄くなるだけでなく、鼻の下から唇にかけての皮膚部(白唇部)が長く、丸みを帯びてくることを定量的に確認しました。
本研究成果は、『日本化粧品技術者会誌(第53巻第4号2019年)』に掲載されました。

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図1 各年代の日本人女性の口もと(代表例)

背景

唇の主な悩みは「乾燥・皮むけ」で、これまで、唇の角層機能や皮膚との違いなどの研究が盛んに行なわれています。一方、この「乾燥・皮むけ」悩みは30代をピークに減少し、年代とともに唇の色(くすんで見える)や形状(ふっくら感がなくなってきた、輪郭がぼやけるなど)に関する悩みが増えます。
花王は、これまでの研究で、口もと(唇とその周辺)の見え方の変化が顔全体の見た目印象にも影響を与えることを確認していますが、日本人女性における口もとの形状変化を定量的にとらえた報告はほとんどありませんでした。そこで今回は、口もとの形状に焦点を当て、唇(赤唇部)とその周辺の皮膚部(白唇部)の加齢変化を定量的に解析しました。さらにそれが個人差でないことを証明するため、同一人物の経年変化についても検討を行ないました。

研究1 日本人女性の口もと形状の年代間比較

16~78歳の日本人女性139名の顔を正面および側面から撮影し、写真画像から唇とその周辺の皮膚部それぞれの部位を計測しました(図2)。

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図2 測定部位

<唇形状の変化>
上唇の縦幅、下唇の縦幅、唇全体の縦幅はいずれも加齢とともに狭くなっていました。一方、唇の横幅に関しては加齢とともに横に広がること、下唇については、側面からの膨らみが有意に減少することを確認しました。

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図3 唇形状の年代比較(代表例)

<唇周辺の皮膚(白唇部)の変化>
白唇部(鼻の下)については、加齢とともに長くなることが明らかとなりました。さらに、側面の画像の検討から、白唇部のそり幅と年齢の間にも正の相関がみられ、若齢者では白唇部が反り返っている人が多いものの、加齢とともに白唇部は丸みを帯びていくことが明らかとなりました。

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図4 唇周辺の皮膚部の年代比較(代表例)

年代を詳細に確認すると、このような変化は40代ごろからみられる傾向にありました。これは、加齢による内部組織の変化、筋肉下垂等の影響と考えられます。

研究2 同一人物による口もと形状の経年変化

2015年時点で46~55歳の日本人女性13名を対象に、正面から撮影した1992年、2002年、2015年の顔画像の各部位を計測。各被験者の唇の縦幅と横幅の比率、また唇の縦幅を1としたときの白唇部の長さの比率を比較しました。
その結果、同一被験者の比較においても研究1と同様に、唇が横長に、鼻下が長くなることが確認されました(図5、6)。

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図5 同一人物の唇の縦横比率(経年変化)

PowerPoint プレゼンテーション

図6 同一人物の唇における白唇部の長さ比率(経年変化)

まとめ

今回の検討で、経験的には知られていながら定量的データの少なかった日本人女性の加齢による口もとの変化が、唇だけでなく、その周囲の形状も含めて明らかとなりました。今後は、この知見を化粧品開発やメイク方法の提案に生かしていく予定です。

* 図1、2、5、6は、日本化粧品技術者会誌(第53巻第4号2019年)に記載の図を改変したものです。

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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