花王株式会社(社長・澤田道隆)パーソナルヘルスケア研究所は、身体活動量計を活用して、職域(働く)世代の日常生活における身体活動量の変化パターン(生活リズム)と睡眠との関係を解析しました。その結果、今回、生活リズムが睡眠に関連していることがわかりました(図1)。
【今回の研究知見】 職域(働く)世代(20~60代)において、
1. 「平日の生活リズムで、就業前後(6~9時および18~21時)に身体活動量が高いパターンの人」で、かつ「休日の生活リズムで、朝(6~9時)に身体活動量が高いパターンの人」は、他の生活リズムのパターンの人に比べて、平日の昼間に眠気を感じている人が少ない傾向にありました。
2. 身体活動量が高いパターン(生活リズム)で、平日と休日でずれがみられる人は、平日の昼間に眠気を感じている人が、より多い傾向にありました。
⇒ その結果、平日と休日の生活リズムのずれが、平日の昼間の眠気と関連していることがわかりました。
各生活リズムにおける身体活動量が高い時間帯 (各生活リズム) (高い時間帯) |
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通勤を含む就業前後 | 6~9時、18~21時 |
就業時間中 | 6~18時 |
朝 | 6~9時 |
昼 | 9~15時 |
夕方 | 15~18時 |
夜 | 18~21時 |
深夜 | 21~3時 |
フラット | 6~18時で 高い時間帯無し |
なお、本研究内容は、第77回日本公衆衛生学会総会(2018/10/24~26、福島県)にて発表しています。
花王は、今後も身体活動量計を活用して、日常生活における身体活動量の変化パターン(生活リズム)と健康との関係を解析して得られた研究知見は、“KaoみんなのGENKIプロジェクト”などを通じて役立てていきます。
図1 平日休日の生活リズムと睡眠意識(「平日の昼間に眠気を感じる」にあてはまる人の割合)の関係
身体活動量計を活用して、職域(働く)世代の日常生活(平日および休日)における身体活動量の変化パターン(生活リズム)と睡眠との関係について調査、解析を行ないました。
【対象者】
2014~2017年に実施した花王歩行測定参加者;計1,544名のうち、以下の装着有効条件を満たす計1,142名(男性:750名、女性:392名)
【測定方法】
・身体活動量測定:3軸加速度計(アコーズ社製)を用いて、身体活動量を測定
・睡眠意識調査を実施
【装着有効条件】
・睡眠意識設問聴取日より28日間の装着有効日数が20日(70%)以上
・装着有効日:装着時間が10時間/日以上を満たす日
【睡眠意識調査】
睡眠意識として、「目覚めの良さ」「起床時の疲れ」「平日の昼間の眠気」を感じるかどうかについて、「あてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」の4段階で聴取しました。
平日および休日の各パターン間、平日と休日のパターンの組み合わせによって、睡眠意識における「あてはまる」「ややあてはまる」の回答率に差があったかどうかを比較しました。
【分類方法】
平日20日間および休日8日間それぞれにおける1日を8分割した3時間毎の平均歩数を用いて、生活リズムを以下のように分類しました。
1. 平日の場合 : 身体活動量が高い状態別に、3パターンに分類
Ⅰ.通勤を含む就業前後(6~9、18~21時)、Ⅱ.就業時間中(6~18時)、Ⅲ.深夜帯(21~3時)
2. 休日の場合 : 身体活動量が高い状態別に、5パターンに分類
a) 朝(6~9時)、b) 昼(9~15時)、c) 夕方(15~18時)、d) 夜(18~21時)、e) フラット(6-18時で、特に高い時間帯がない)
平日および休日の分類したパターン間、平日と休日の分類したパターンの組み合わせによって、睡眠意識における「あてはまる」「ややあてはまる」の回答率に差があったかどうかを比較して、平日休日の生活リズムと社会的パフォーマンスに影響する睡眠意識の関係について解析しました。
*本資料は、重工記者クラブに配信しています。
花王株式会社 広報部
※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。