花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、ドローン散布用機能性展着剤『KAO ADJUVANT A-200』を2021年7月より中国にて発売しました。機能性展着剤は、農薬に添加することで作物への農薬の付着性と濡れ広がり性を高めます。今回の新製品は、ドローンでの農薬散布時特有の課題であった、対象作物以外への農薬飛散、作物への農薬被覆率の低さを解決へと導きます。今後も花王は、農業におけるニーズに応える新製品をグローバルに展開していく予定です。
中国では農業就業人口の減少が進んでおり、農業生産性向上のためにITを活用したスマート農業が注目されています。特に、作業者負担が大きい農薬散布作業では、ドローンを用いることで負担の低減だけでなく、手作業と比較して作業時間を大幅に短縮することも可能なため、ドローンの活用が急速に拡大しています。一方で、農薬散布時の散布液が対象作物以外へ飛散(ドリフト)する、風の影響で散布液の蒸発が早まるため作物への付着性・濡れ広がり性が低い、といったドローン用特有の課題も発生しています。
花王は長年培ってきた界面制御技術を用いて、50年以上前から機能性展着剤の研究開発を行なってきました。すでに、地上散布用の製品などを展開しており、日本国内での展着剤市場のシェアは20%(日本国内No.1)*1 と市場をリードしています。今回は、ドローン専用の機能性展着剤として、散布時の水分蒸発を抑えて対象作物以外へ飛散(ドリフト)を抑制する機能を新しく加えた製品を開発しました。
KAO ADJUVANT A-200
2021年7月/中国
水分を弾く作物の表面でも農薬を濡れ広がるように展着させます
散布した液滴が作物に付着する前に風で蒸発することを抑制します
散布時の農薬飛散を抑制し、農薬の作物への付着性・濡れ広がり性を向上させます
農作物の収量や品質維持のためには、農薬散布による病害虫防除が必要です。しかし、農業就業人口は減少する一方、生産者当たりの農地面積は増加しており、農薬散布作業の自動化が課題となっています。『KAO ADJUVANT A-200』は、今までのドローンでの農薬散布時の課題を解決し、ドローンを用いての省労力な農業をバックアップします。花王は、今後この技術をグローバルに展開していくと共に、食糧生産性の向上を行なうことで、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。