発表資料: 2019年06月26日

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シート式圧力センサーを活用して、歩行時の足圧データ解析により足圧総合評価システムを開発

-東京医療保健大学と花王との産学連携による共同研究の成果-

花王株式会社(社長・澤田道隆)パーソナルヘルスケア研究所は、健康寿命の延伸に貢献する取り組みのひとつとして、「歩くなどの日常生活活動および運動(身体活動)」に着目し、一生涯を通じたヒトの“歩く”特徴を科学的に解明して数値化(見える化)する研究を積み重ねています。
今般、東京医療保健大学(学長・木村哲)医療保健学部医療情報学科(今泉一哉教授、岩上優美助教)と花王株式会社パーソナルヘルスケア研究所の産学連携の共同研究グループは、シート式圧力センサーを活用(図1)して、歩行時の足圧を測定・データ解析する技術「足圧総合評価システム」(足指面積率、足型判定の結果から、ヒトの“歩く”特徴を解析)を開発しました。

図1 シート式圧力センサーを用いて足圧測定するイメージ

なお、本研究内容は、第61回日本老年医学会学術集会(2019/6/6~8、宮城県)にて発表しています。

花王は足圧総合評価システムを活用して、これからも一人でも多くの方に、自分の“歩く”特徴について知っていただく機会を提供するとともに、蓄積したデータから、一生涯を通じたヒトの“歩く”特徴を科学的に解明する研究を積み重ねていきます。

足圧総合評価システムの特長

足圧総合評価システムは、足指面積出力システム、足型判定システム、足圧評価システムの3つで構成されています。

1.足指面積出力システム

【対象者】
20~90代の3,324名(女性1,771名、男性1,553名)

【歩行測定】
2015年にセンサー圧力シートを用いて通常歩行を2試行以上記録し、足圧データを取得。
歩行時の足指の状態を評価するために、足指部分を分離して、足指面積率(足指面積/足裏総面積×100)を算出。(図2)

図2 足指面積率の算出方法

【解析結果】
足指面積率の性・年代別の変化を検討した結果、男女とも70代以降で、足指面積率の有意な低下が認められました。
さらに、女性高齢者126名(平均年齢:83.2歳)を対象に、直近1か月間での転倒有無で足指面積率を比較した結果、転倒あり群で有意な足指面積率の低下が認められました。(図3)

図3 転倒有無での足指面積率の比較

2.足型判定システム

【対象者】
20~80代の3,244名(女性1,726名、男性1,518名)

【歩行測定】
2015年にセンサー圧力シートを用いて通常歩行を2試行以上記録し、足圧データを取得。
足型判定指標として、足圧データの足指部分を削除し、足底部を前足部①、中足部②、後足部③に3分割し、足底部全体に対する中足部の圧力比率(MAI)を算出。(図4)

図4 足底部全体に対する中足部の圧力比率(MAI)の算出方法

【解析結果】
MAIの性・年代別の変化を解析した結果、年代別において、女性では60代以降、男性では70代以降でMAIの有意な増加(扁平足化)が認められました。(図5)
さらに、歩行機能との関連も認められ、扁平足であるほど、歩幅や歩行速度などが有意に低いことが明らかとなりました。

図5 MAIの性・年代別の変化

3.足圧評価システム

【対象者】
2018年3月に実施した歩行測定会に参加し、足圧評価システムの結果レポートをフィードバックして、アンケート調査に回答した10~60代の66名(女性13名、男性53名)

【歩行測定とデータ解析】
2018年にセンサー圧力シートを用いて通常歩行を4試行記録し、足圧データを取得。
そのうち、足指面積率、足型判定のデータから以下の足圧評価結果レポートを表示。(図6)
・足指活用力:足指面積率の結果を反映
・平均足圧:足圧データを平均化して表示
・足型判定:MAIの結果を反映
・総合評価として、足圧年齢を表示

図6 足圧評価結果レポートの表示例

【アンケート調査結果】
足圧評価結果レポート(図6)を参加者にフィードバックし、どのような理解と気づきが得られたかのアンケート調査を実施。その結果、自身の歩行機能を理解するきっかけとなり、歩行へのモチベーションが高まることがわかりました。

ヒトの“歩く”特徴を解析する研究背景

超高齢社会となった日本において、高齢者の生活の質(QOL)の向上・健康維持・増進および健康寿命の延伸に貢献する取り組みは、重要なテーマのひとつです。最近では、運動だけでなく、日常生活全般において、「生活活動(からだを動かすこと)」を含めた「身体活動」が重要であることがわかってきました。
花王は、乳幼児用紙おむつの開発を通じて、成長と歩行特徴(歩行パラメータ)との関係を研究してきました。この研究をベースに、2010年から、高齢者の歩行機能低下に対して、ヒトの“歩く”特徴を科学的に解析して数値化(見える化)する研究を積み重ねてきました。その結果、動けるからだづくりには、「歩行の量(歩数、時間)」と「歩行の質(速度、歩き方)」を向上させることが重要であることがわかり、歩行の特徴が測定できる身体活動量計および歩行測定・解析システムを開発しました。これらのシステムは、地域、職場、学校などの団体に向けて提供を行なっています。
今回、この足圧データを活用した歩行測定・解析システムを応用して、歩行時の足圧総合評価システムの開発に至りました。

お問い合わせ

花王株式会社 広報部

03-3660-7041

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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