参考資料: 2019年01月29日

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手の平で物に触れる行動と唾液中のオキシトシン量との関連性を確認

花王株式会社(社長・澤田道隆)感覚科学研究所は、物を介したヒトの行動による心理的・生理的変化の解析研究を進めています。今般、サニタリー研究所と共同で、赤ちゃん用紙おむつに使用される形状の異なる表面材を、手の平で触れる(触覚刺激)行動をした時の触感の違いと生理的変化を解析した結果、以下の研究知見を得ました。

今回の研究知見

形状の異なる2つの表面材(1:小凹凸シート、2:大凹凸シート)を用いて、以下のことがわかりました。
1) 大凹凸シートを手の平で触れる行動の前後で、唾液中のオキシトシン*1 量が有意に増加すること(図1)。
・安静前後では唾液中のオキシトシン量に変化はありませんでした。
・何れの行動の前後においても、唾液中のコルチゾール*2 濃度に変化はありませんでした。
2) 小凹凸シートを手の平で触れる行動時に比べて、大凹凸シートを手の平で触れる行動時の方が、風合い(やわらかさ、ふんわり感)のスコア評価値が高いこと(表1)。
・心地よさに関しては、小、大凹凸シート共に、手の平で触れる行動の前後で、安静時に比べて有意に心地よさが喚起されることがわかりました。
これらの結果から、特性の異なるおむつ素材をヒトが触れるという行動時の触感の違いが、ヒトの生理的変化に影響することがわかりました。
なお、本研究内容は、第59回日本母性衛生学会総会・学術集会(2018/10/19-20、新潟県)にて発表しています。今後も物を介したヒトの行動による心理的・生理的変化の解析研究を積み重ねていきます。

  • * 1 オキシトシン
    脳の視床下部で合成されるホルモンのひとつで、スキンシップを積極的に行なうと出やすくなることが研究で報告されています。
    このオキシトシンには、愛着関係を深めたり、ストレスを軽くしたり、情緒を安定させたりするはたらきがあります。
  • * 2 コルチゾール
    副腎皮質から分泌されるホルモンのひとつで、「ストレスホルモン」とも呼ばれており、ストレスを受けた時に分泌が増えることがわかっています。

図1 形状の異なる表面材に触れる行動の前後での唾液中のオキシトシン、コルチゾール量の変化
小凹凸シート、大凹凸シートに触れる行動前を基準にした相対値表示

表1 形状の異なる表面材に触れる行動の前後での風合い(やわらかさ、ふんわり感)のスコア評価値

研究内容

赤ちゃん用紙おむつに使用される形状の異なる2つの表面材(1:小凹凸シート、2:大凹凸シート)を、手の平で触れる(触覚刺激)行動時の触感の違いと生理的変化を解析、検討しました。

【対象】
30-40代女性、10名(赤ちゃん用紙おむつ使用者もしくは使用経験者で、現在、授乳を行なっていない女性)

【被験品】
おむつ表面材1(小凹凸シート):凸形状*3 =1.1、圧縮仕事量*4 (WC, gf・cm/cm2)=0.20
おむつ表面材2(大凹凸シート):凸形状 =1.5、圧縮仕事量(WC, gf・cm/cm2)=0.42

  • * 3 凸形状:凸の外周長さ/底部長さ ※数値が大きいほど、凸形状が大きい
  • * 4 圧縮仕事量:圧縮試験機で測定する、表面材のやわらかさの物性指標の1つ ※数値が大きいほど、やわらかい

【試験方法】
2つの被験品に触れる、または安静の前後に、生理指標測定用の唾液の採取、および心地よさ、風合いに関するアンケートを行ないました(図2)。
《触れ方》
・安静 : 手の平で何も触れずに5分間過ごす。
・被験品に触れる : 手の平を前後左右に動かして、各シートに30秒間触れた後、30秒間何も触れずに安静にする動作を5回繰り返しました。1日1条件で実施し、試験参加者毎にランダムに条件提示を行ないました。
《唾液中の生理指標測定》
唾液は、被験品に触れる前、直後、そして30分後に採取。
唾液中のホルモン(オキシトシン量、コルチゾール濃度)の変化率を算出。
《心地よさに関するアンケート》
アナログスケール(Visual Analogue Scale:VAS、心理状態などを数量化して計測するための評価尺度、今回は長さ10cm)を用いて、被験品に触れた前後の心地よさに関するアンケートを行ないました。
《風合いに関するアンケート》
唾液採取の試験とは別日に被験品の風合いに関するアンケートを行ないました。
風合い(やわらかさ、ふんわり感)は7段階のスコアで評価
-3(やわらかくない)~ 0(どちらともいえない)~3(やわらかい)
-3(ふんわり感が低い)~ 0(どちらともいえない)~3(ふんわり感が高い)

図2 試験方法

*本資料は、重工記者クラブに配信しています。

お問い合わせ

花王株式会社 広報部

03-3660-7041

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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