発表資料: 2018年10月26日

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微細化した炭酸が肌を持続的に弱酸性に保つことを明らかに
肌がなめらかになるメカニズムを新発見

花王株式会社(社長・澤田道隆)スキンケア研究所は、微細化した炭酸によって肌が持続的に弱酸性に保たれると、角層中の接着因子デスモグレインの分解が促進され、角層のターンオーバーが正常化し、肌がなめらかになる可能性があることを今回新たに発見しました。
なお、本研究成果は、「第30回 IFSCC Congress ミュンヘン大会(2018年9月18日~21日、ドイツ)」にて行なった発表内容の一部です。

背景

健康な肌の表面は、外部の刺激から肌を守りうるおいを保つために、弱酸性に保たれています。しかし、角層のターンオーバーが乱れるなどの理由により、肌表面のpHが高くなることも知られています。花王は、従来から、肌の表面を弱酸性に保ちながら行なうスキンケア、ヘアケア技術を開発し、商品に応用してきました。しかしながら、これまでは弱酸性により肌がなめらかになる効果やそのメカニズムは明らかになっていませんでした。そこで今回、肌を持続的に弱酸性化した際に起こる肌表面(角層)の変化の観察を行ないました。
また、「酸」の肌への親和性に着想を得て、一般的な酸の中でも角層と性質の近い炭酸に着目しました。角層の分配係数(脂溶性の指標)に近い炭酸は、角層との親和性が高く、少量で効率的に肌に吸収されると考えられます。炭酸は、身体によいとされる炭酸泉に含まれますが、炭酸泉には、血管を拡張し、血行を促進する作用があることが知られ、ヨーロッパでは、古くから炭酸泉浴が行なわれています。乾燥や過剰な皮脂に由来する皮膚のトラブルにも重用されており、歴史的な実績のある信頼性の高い方法だと考えました。

今回の研究知見

【持続的に弱酸性に保つ方法の確立】
炭酸を微細な泡として存在させると、製剤中の炭酸が高濃度で持続するため、角層への浸透性が向上します。これにより、一般的な有機酸配合製剤と比較して、pHを持続的に弱酸性の状態に保つことを確認しました(図1)。

図1 製剤によるpHの変化 (3次元培養表皮モデルに製剤を塗布後、pHを経時で測定)

【肌がなめらかになるメカニズムの解析】
肌表面のpHを持続的に弱酸性に保つ製剤を用いることにより、角層中のプロテアーゼ活性が高まり、接着因子デスモグレインの分解が促進されることが明らかになりました。この現象から、不要な角層の堆積が解消されるという、新たな表皮ケアにつながることが期待されます。

図2 角層中デスモグレイン(DSG1)の状態変化(製剤4週間塗布前後の頬部から角層を採取、DSG1抗体にて染色後、蛍光顕微鏡で観察)

(まとめ)
炭酸を微細化することによって安定化した製剤により、肌を持続的に弱酸性に保つ可能性が示唆されました。肌を弱酸性に保つことにより、角層中の接着因子デスモグレインの分解が促進され、角層のターンオーバーが正常化し、肌がなめらかになることが期待されます。この発見は乾燥や加齢でターンオーバーが乱れた肌を健常に導くのに有効な手段になると考えられます。今後も、肌を持続的に弱酸性に保つことの効果について、検討を進めていきます。

お問い合わせ

花王株式会社 広報部

03-6745-3150

※社外への発表資料を原文のまま掲載しています。

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