育毛成分 t-フラバノン
花王の2000種以上の生薬ライブラリーの中から、「西洋オトギリソウ」のエキス、さらに、その中の「アスチルビン」という成分が、毛髪の素となる毛母細胞を増殖促進する高い作用を持っていることをつきとめました。
このアスチルビンを手がかりに、より安定した高機能な化合物を得るため、分子設計・化合物の合成・効果検証を繰り返した結果、開発されたのが、t-フラバノン(トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン)です。
毛乳頭細胞で産生されたTGF-βというタンパク質が、毛母細胞に作用してその分裂・増殖を抑制し、髪の成長を抑えます。
t-フラバノンは、TGF-βの活性を抑制することが確認されており、ヘアサイクルが退行期・休止期に誘導されることを抑え、成長期を維持できるように働くと考えられます。
毛根の細胞と同様の性質を持つ表皮細胞と毛乳頭細胞を共存培養し、培養系にt-フラバノンを添加。
2日後に培養液中に放出された活性型のTGF-β量を解析。
t-フラバノン添加により、活性型のTGF-βの産生が抑制された。
毛母細胞+毛乳頭を用意し、一方にはt-フラバノンを添加し、もう一方には無添加で、72時間後の毛母細胞の増殖を比較。
t-フラバノン添加により毛母細胞の増殖が促進された。
皮膚から取り出した生きたままの毛根に、一方にはt-フラバノンを添加、もう一方には無添加で、72時間後の毛の成長を比較。
t-フラバノン添加により毛の成長が促進された。
男性型脱毛の男性に1日2回30週間サンプル塗布。
抜去ピーク値(髪を抜くときに必要な力の最大値)をt-フラバノン配合品と未配合品使用者と比較。
t-フラバノン配合品使用者の方が抜くときに必要な力が大きかった。
t-フラバノン、男性型脱毛の男性対象1日2回30週連用試験。
(※抜け毛数試験は、6か月連用)
t-フラバノンを6カ月連用試験
その結果、髪の分け目の目立ちが緩和される例も見られました。